[II-OR23-05] 経皮的肺動脈弁形成術後に二心室修復に到った肺動脈閉鎖兼正常心室中隔の遠隔期心腔ジオメトリーの変化
キーワード：経皮的肺動脈形成術, 心腔ジオメトリー, 肺動脈閉鎖兼正常心室中隔
【背景・目的】経皮的肺動脈弁形成術後(BVP)二室修復に至った肺動脈閉鎖兼正常心室中隔(PA/IVS)の心腔ジオメトリー変化についての報告はなく詳細は不明である。肺動脈弁・三尖弁・右室容量変化に焦点をあて検討する。【対象および方法】1992～2017年にBVP後二室修復に至ったPA/IVS 48例(Critical PSを含む)を対象とした。初回BVP時カテーテル検査と心エコー図検査により算出した肺動脈弁輪径(PVD)、三尖弁輪径(TVD)、各心腔面積を用いて治療前・治療直後・1年後・5年後各期で比較検討した。【結果】BVP時日齢7(0-34)，バルーン径/PVD比140(66-258)％，収縮期右室圧/大動脈圧比1.50(0.71-2.95），観察期間7.8(0.1-21)年であった．17例(35％)に複数回BVPを施行した。最終的に 47例(2例は開胸下右室流出路形成)が2心室修復を、1例が単心室修復を選択した。治療前・治療直後・1年後・5年後各期においてPVD Z score は-2.9(-8.2─1.8)→-1.9(-5.8─1.1)→-0.7(-5.1─1.1)→-0.1(-3.7─2.1)，右室面積(cm2/m2) 1は0.7(5.1─20.9)→12.2(5.3─18.2)→12.8(2.2─20.8)→12.9(6.9─23.4) と経時的成長がみられたが(各々p＜0.01、p=0.02) 、TVD Z scoreおよび左房・左室面積は変化がなかった．右房面積(cm2/m2)は23.3(11.3─51.6)→19.8(10.4─37.1)→14.6(6.9─37.0)→12.9(6.9─23.4)と経時的減少が見られたものの，5年後の右房/左房面積比は1.5(0.8─3.4)と右房拡大は残存した．術後中等度以上の肺動脈弁逆流と三尖弁逆流(TR)は各々70％と59％に認め，右室成長は治療後の中等度以上TRと関連していた。【結論】二室修復に至ったPA/IVSでは，右室は遠隔期に拡大傾向があり，TRとの関連を示唆した。