[II-OR24-05] CALM2遺伝子変異D96Vによる左室緻密化障害・心室中隔欠損・心房中隔欠損を伴った新生児期発症重症QT延長症候群の一例
Keywords:CALM2, CHD, 10175
【背景】カルモジュリンは細胞内のカルシウムイオンセンサーであり、カルシウムイオンと結合して様々なタンパク質の機能制御を行う。カルモジュリン遺伝子CALM1-3の変異が先天性QT延長症候群(LQT)やカテコラミン感受性多形心室頻拍などの致死性不整脈に関連することが近年明かとなっている。CALM2変異に関連した新生児期発症重症LQT症例を報告する。【症例】4か月男児。在胎28週に洞徐脈と先天性心疾患を診断され、38週に母体適応帝王切開で出生した。体重3221g、HR80bpm、心電図はLate appearanceで交代性T波。心エコーで心室中隔欠損、心房中隔欠損、左室緻密化障害と診断された。日齢5にLQTに伴う機能的2:1房室ブロックが出現するようになり、メキシレチン、プロプラノロールが開始されたが改善なく、日齢9当院ICUへ搬送された。入院時HR98bpmではQTcF635msで房室ブロックなし。心拡大と肺うっ血あり、心エコーはLVEF42%。利尿剤・補助換気を開始したが、日齢10に2:1房室ブロックによる徐脈(HR57bpm・QTcF724ms)が持続して心不全が急激に悪化したため、ペーシングリード留置と肺動脈絞扼術を施行した。QT時間は徐脈で著明に延長した。VVIバックアップペーシングを行うと短時間でQTが短縮して1:1伝導に回復するため有効であった。1か月時肺動脈再絞扼術、3か月時心内修復術を施行、術後は7日ECMO使用。続発症として上大静脈閉塞、胸腹水、脳室内出血があり、現在も集中治療継続中だが、心室性不整脈は出現していない。遺伝子検査でde novoの既報病原性変異であであるCALM2 c.287A>T、p.D96Vを認めた。【考察】CALM2変異よるLQT15は、2013年に初めて報告され、房室ブロックや心室頻拍のほか、洞徐脈の合併が報告されている。器質的心疾患合併は、左室緻密化障害と心室中隔欠損が各1例ずつ報告されており、本症例ではこれら器質的心疾患の合併により、複合的で重症な経過をたどった。