The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

複雑心奇形

一般口演25(II-OR25)
複雑心奇形

Fri. Jul 6, 2018 4:10 PM - 5:00 PM 第4会場 (303)

座長:岡本 吉生(香川県立中央病院 小児科)
座長:東 浩二(千葉県こども病院 循環器内科)

[II-OR25-02] 重度三尖弁閉鎖不全を合併した純型肺動脈閉鎖症に対するStarnes手術の検討

小林 慶, 青木 満, 萩野 生男, 梅津 健太郎, 斎藤 友宏, 卯田 晃代 (千葉県こども病院)

Keywords:純型肺動脈閉鎖症, Sternes, 三尖弁閉鎖不全症

純型肺動脈閉鎖症(PAIVS)に対する二心室修復(BVR)においては右心室(RV)形態,容積と共に術後の肺動脈弁,三尖弁(TV)機能も予後を左右する因子である.重度三尖弁閉鎖不全(TR)により右室機能不全をきたしたPAIVSに対するStarnes手術の効果を検討した.当院で手術介入を行ったPAIVS48例中24例は初回手術時より単心室修復(SVR)を目指した.BVRを目指した24例中13例は初回手術で肺動脈弁切開(Brock)+BTシャント(BT)を施行された.このうち3例において,BVR到達後(症例1),BVR到達前(症例2,3)に,形態異常による重度TR+三尖弁狭窄(TS)のためStarnes手術が行われた.一方向弁付きの穴開きパッチでTVを閉鎖し,右室自由壁の切除は行なわなかった.症例1:31週5日,1930gで出生。日齢29にBrock+LBT施行.RVEDV55%N,TR moderateで3歳2ヶ月時にBVR +三尖弁形成術(TVP)を施行した.術後もTRに対し3度手術介入を行うも奏効せず,蛋白漏出性胃腸症を発症しため,13歳時にStarnes+TCPCを施行し,術後は良好に経過した.術後右室内腔の縮小を認めた.症例2:38週2日,2835gで出生.日齢15にBrock+LBTを施行した.10ヶ月時にRVEDV51%N,TRIIであり1歳3ヶ月時にRBT+三尖弁交連切開術を施行した.術後RVEDV123.2%Nとなるも,TRおよびPRが3-4度であったため,2歳3ヶ月時にBDG+Sternes,3歳4ヶ月時にFontan施行し術後は良好に経過した.術後右室内腔の縮小を認めた.症例3:37週5日,2403gで出生.日齢11日にBrock+LBT,三尖弁交連切開術を行った.術後,高度のTRによる右心系拡大(RVEDV165.1%N)と共に心不全を認め,3ヶ月時にStarnes手術を施行した.左心機能,心不全症状の改善を認め,現在BDG待機中. 結語:PAIVSにおいて,右室容積が十分であっても三尖弁の形態異常に伴うTR,TSを合併する症例はBVR後のQualityが不良であるため,Starnes手術によるSVRが望ましいと考えられた.右室拡大例においても,右室自由壁の切除を行わなくとも,早期に右室の縮小と左室機能の改善を得ることができた.