[II-OR29-03] 末梢動脈容積脈波を用いた反応性充血指数で評価したFontan術後患者の血管内皮機能とその関連因子
キーワード：Fontan, 血管内皮機能, 肝線維化
【背景】Fontan術後患者における血管機能内皮機能異常が報告されているが，その関連因子に関する報告は乏しい。【方法】2015年2月から2017年12月に入院検査を行ったFontan術後患者91人 (年齢中央値歳;歳、男性%)とコントロール15人 (年齢中央値32歳、19-38歳、男性58%) を対象とし、血管内皮機能として末梢動脈容積脈波を用いた反応性充血指数 (reactive hepermia index; RHI)を測定し比較した。さらにFontan術後患者においてRHIと背景因子 (年齢、性別、BMI、内服薬、手術回数、Fontan手術時年齢)、肝腎機能 (TP、Alb、GGTP、TB、GOT、GPT、M2BPGi、UN、Cre、CysC)、 代謝指標 (T-chol、LnTG、HDL-C、HbA1c、空腹時血糖)、血行動態指標 (収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、CVP、PCW、EDP、SaO2、CI、Rp、Rs、LnBNP)、運動耐容能 (%Peak VO2、%AT VO2)との関連を検討した。【結果】コントロール群に比しFontan術後患者は、LnRHI低値 (0.50±0.24 vs 0.75±0.29; p＜0.01)を示した。Fontan術後患者でLnRHIは拡張期血圧 (r=-0.50, p＜0.01)、肝線維化マーカーであるM2BPGi (r=0.30, p＜0.01)と関連した。【結語】Fontan術後患者の反応性充血反応は低下しているが、Fontan関連肝障害の進行により反応性充血反応が亢進する可能性が示唆された。