[II-PD05-02] ステロイド抵抗性となってきたFontan術後蛋白漏出性胃腸症・鋳型気管支炎をどうする?
Keywords:Fontan, 蛋白漏出性胃腸症, 鋳型気管支炎
【症例】無脾症・右室型単心室・開窓Fontan術後・蛋白漏出性胃腸症・鋳型気管支炎(PB)の15歳男児。
【経過】1歳11か月時に経皮的体肺側副動脈(APCA)コイル塞栓術と開窓Fontan手術を受けた。良好に経過したが、低アルブミン血症(<3.0g/dL)を指摘されるようになり、10歳時に心カテを施行した。Fontan経路に明らかな狭窄はなく、中心静脈圧18mmHg、Rp 1.31 units/m2、PA index 147であった。心室拡張末期圧は12mmHgで、腹部圧迫により27mmHgまで上昇し、心室拡張障害による中心静脈圧の上昇と考えた。利尿薬・肺血管拡張薬・β遮断薬・静脈拡張薬に加え、11歳時に中等量のプレドニゾロンを開始して断続的に使用し、当初は反応良好であった。しかし、徐々に治療抵抗性となり、15歳時にPBを発症した。プレドニゾロン40mg/日を使用したが、血清アルブミン値は2.5~3.0g/dLで推移し、寛解が得られなくなった。
15歳時の心臓MRI検査では、心室拡張末期容積が80ml/m2で駆出率は54.5%、房室弁逆流率は7%と悪くなかった。上行大動脈血流量は4.3L/分/m2と多く、開窓血流量は0.4L/分/m2、APCA血流量は0.8L/分/m2と有意であり、Qp/Qs=1.11であった。普段のSpO2は約90%(room air)。胸部単純レントゲン検査では心胸郭比49%、BNP値は4.5pg/mLであった。末梢静脈圧は13mmHg、末梢駆血圧は33mmHgと高くなく、循環血液量は138 mL/kgと過多で、静脈キャパシタンスは大きく保ててはいる。
【治療】APCAの可及的閉鎖が考慮されるが、両側大腿動脈が閉鎖している。ステロイドの副作用として多食・肥満が進行(身長150cm、体重60kg)し、夜間睡眠時の酸素飽和度の低下がみられ、ASVを導入したがなお管理には難渋している。さらなる方策につき議論したい。
【経過】1歳11か月時に経皮的体肺側副動脈(APCA)コイル塞栓術と開窓Fontan手術を受けた。良好に経過したが、低アルブミン血症(<3.0g/dL)を指摘されるようになり、10歳時に心カテを施行した。Fontan経路に明らかな狭窄はなく、中心静脈圧18mmHg、Rp 1.31 units/m2、PA index 147であった。心室拡張末期圧は12mmHgで、腹部圧迫により27mmHgまで上昇し、心室拡張障害による中心静脈圧の上昇と考えた。利尿薬・肺血管拡張薬・β遮断薬・静脈拡張薬に加え、11歳時に中等量のプレドニゾロンを開始して断続的に使用し、当初は反応良好であった。しかし、徐々に治療抵抗性となり、15歳時にPBを発症した。プレドニゾロン40mg/日を使用したが、血清アルブミン値は2.5~3.0g/dLで推移し、寛解が得られなくなった。
15歳時の心臓MRI検査では、心室拡張末期容積が80ml/m2で駆出率は54.5%、房室弁逆流率は7%と悪くなかった。上行大動脈血流量は4.3L/分/m2と多く、開窓血流量は0.4L/分/m2、APCA血流量は0.8L/分/m2と有意であり、Qp/Qs=1.11であった。普段のSpO2は約90%(room air)。胸部単純レントゲン検査では心胸郭比49%、BNP値は4.5pg/mLであった。末梢静脈圧は13mmHg、末梢駆血圧は33mmHgと高くなく、循環血液量は138 mL/kgと過多で、静脈キャパシタンスは大きく保ててはいる。
【治療】APCAの可及的閉鎖が考慮されるが、両側大腿動脈が閉鎖している。ステロイドの副作用として多食・肥満が進行(身長150cm、体重60kg)し、夜間睡眠時の酸素飽和度の低下がみられ、ASVを導入したがなお管理には難渋している。さらなる方策につき議論したい。