[II-S07-04] 先天性心疾患患者に対する重症心不全外科治療
キーワード:心臓移植, 先天性心疾患, 重症心不全
【背景】先天性心疾患患者に対する外科的治療成績の向上により長期遠隔予後は良好である。一方で、遠隔期に重症心不全へと進行し、心臓移植適応検討を必要とする症例が増加している。しかし、心臓形態異常を基礎とする重症心不全患者に対する治療戦略は複雑であり、心筋症患者と比べ心臓移植後の成績は不良であると報告されており、心臓移植適応検討を行う上で大きな問題を抱えている。そこで、先天性心疾患重症心不全患者に対する外科的治療介入や移植適応検討における問題点と課題を検討する。
【対象】2010年から2017年の間に当院で心臓移植の可能性を検討した先天性心疾患重症心不全患者26例(1ヵ月から42歳、単心室8(30.7%)例)を対象に、心臓外臓器障害の有無、外科治療時の問題、心臓移植適応検討における問題点と課題を検討した。
【結果】19例が他院からの紹介で、上記期間中の当院への心不全相談全137症例数の13.8%であった。心臓移植検討を行った症例は46.2%。移植適応と判定されたのが4例(cTGA, DIRV, PA/IVS, Truncus)で、cTGA症例はVAD装着で現在移植待機中。DIRV症例はVAD装着後に急性期死亡。PA/IVS症例は片肺Fontan手術を実施し現在Status2で移植待機中。Truncus術後心不全症例は海外渡航移植。移植適応外と考えられた理由は、不可逆性肝腎機能障害3例、脳血管障害1例、肺血管低形成・肺高血圧4例であった。低栄養、高度の成長発達障害など、耐術能に懸念が残る症例も認めた。心肺同時移植検討へ移行したのが3例。外科的治療介入の余地があり、手術を行った例が3例(筋芽細胞シート移植、大動脈弁置換、片肺Fontan)であった。
【まとめ】先天性心疾患を基礎とする重症心不全患者は、長期間の心不全治療に続発する臓器機能障害や成長発達障害を認めることが多く、心臓移植適応判定や外科的治療介入を行う際に、心臓外合併症を十分に考慮する必要があると考えられる。
【対象】2010年から2017年の間に当院で心臓移植の可能性を検討した先天性心疾患重症心不全患者26例(1ヵ月から42歳、単心室8(30.7%)例)を対象に、心臓外臓器障害の有無、外科治療時の問題、心臓移植適応検討における問題点と課題を検討した。
【結果】19例が他院からの紹介で、上記期間中の当院への心不全相談全137症例数の13.8%であった。心臓移植検討を行った症例は46.2%。移植適応と判定されたのが4例(cTGA, DIRV, PA/IVS, Truncus)で、cTGA症例はVAD装着で現在移植待機中。DIRV症例はVAD装着後に急性期死亡。PA/IVS症例は片肺Fontan手術を実施し現在Status2で移植待機中。Truncus術後心不全症例は海外渡航移植。移植適応外と考えられた理由は、不可逆性肝腎機能障害3例、脳血管障害1例、肺血管低形成・肺高血圧4例であった。低栄養、高度の成長発達障害など、耐術能に懸念が残る症例も認めた。心肺同時移植検討へ移行したのが3例。外科的治療介入の余地があり、手術を行った例が3例(筋芽細胞シート移植、大動脈弁置換、片肺Fontan)であった。
【まとめ】先天性心疾患を基礎とする重症心不全患者は、長期間の心不全治療に続発する臓器機能障害や成長発達障害を認めることが多く、心臓移植適応判定や外科的治療介入を行う際に、心臓外合併症を十分に考慮する必要があると考えられる。