[II-S09-01] 2015 AHA/ATS 小児肺高血圧ガイドラインからみた肺高血圧症診療
Keywords:肺高血圧, ガイドライン, AHA/ATS
【緒言】小児期肺高血圧(PH)は、単独あるいは発育期の多様な心疾患、呼吸器疾患、全身性疾患に合併して発症し、予後に重大な影響を及ぼす。今回、AHA/ATSガイドライン2015を紹介し、今後の課題を報告する。
1 小児期PHの特徴とパナマ分類
小児期PHは、発育期の特性に加えて、遺伝的背景、周産期の侵襲の影響が問題となる。遺伝子異常、肺血管新生と気道形成の相互作用と侵襲が肺高血圧発症に影響し、臨床的に自然歴と治療反応性に影響し得る。しかし、全身的背景、小児期PHの発達段階に応じたフェノタイプの多様性に応じたデータが乏しく、成人例の臨床分類も合致しない点も多い。そこで、小児期肺高血圧性血管病分類(パナマ分類)と個々の臨床指針が提示された。
2肺動脈性肺高血圧(PAH)の重症度評価と治療アルゴリズム
小児期PAHの薬物療法のエビデンスは乏しく、小規模な観察研究による事が多い。そこで、成人期PAHの重症度評価、治療アルゴリズムをもとに、小児版が報告された。低リスク群と高リスク群の重症度分類、治療アルゴリズムが示された。
3小児期先天性心疾患に合併する肺高血圧性血管病
小児期PHは先天性心疾患に合併する例が多い事が特徴で、2心室修復術のoperability、Fontan型術後、Eisenmenger症候群、左心系/肺静脈性病変、術後早期の急性肺高血圧への治療について、指針が示された。
4種々の小児期PHの病態理解、鑑別診断と治療
先天性ないし周産期の治療侵襲も関連した呼吸器疾患(気管支肺異形成、横隔膜ヘルニア、肺の発生異常、低形成)、門脈肺高血圧と多彩な全身疾患の病態理解、鑑別が重要である。
【結語と課題】遺伝的背景、周産期歴と発達段階に応じた小児期PHの理解、高リスク群の早期介入には、小児期PHに即した分類、詳細なフェノタイプ解析(deep phenotyping)と登録研究が今後の課題である。
1 小児期PHの特徴とパナマ分類
小児期PHは、発育期の特性に加えて、遺伝的背景、周産期の侵襲の影響が問題となる。遺伝子異常、肺血管新生と気道形成の相互作用と侵襲が肺高血圧発症に影響し、臨床的に自然歴と治療反応性に影響し得る。しかし、全身的背景、小児期PHの発達段階に応じたフェノタイプの多様性に応じたデータが乏しく、成人例の臨床分類も合致しない点も多い。そこで、小児期肺高血圧性血管病分類(パナマ分類)と個々の臨床指針が提示された。
2肺動脈性肺高血圧(PAH)の重症度評価と治療アルゴリズム
小児期PAHの薬物療法のエビデンスは乏しく、小規模な観察研究による事が多い。そこで、成人期PAHの重症度評価、治療アルゴリズムをもとに、小児版が報告された。低リスク群と高リスク群の重症度分類、治療アルゴリズムが示された。
3小児期先天性心疾患に合併する肺高血圧性血管病
小児期PHは先天性心疾患に合併する例が多い事が特徴で、2心室修復術のoperability、Fontan型術後、Eisenmenger症候群、左心系/肺静脈性病変、術後早期の急性肺高血圧への治療について、指針が示された。
4種々の小児期PHの病態理解、鑑別診断と治療
先天性ないし周産期の治療侵襲も関連した呼吸器疾患(気管支肺異形成、横隔膜ヘルニア、肺の発生異常、低形成)、門脈肺高血圧と多彩な全身疾患の病態理解、鑑別が重要である。
【結語と課題】遺伝的背景、周産期歴と発達段階に応じた小児期PHの理解、高リスク群の早期介入には、小児期PHに即した分類、詳細なフェノタイプ解析(deep phenotyping)と登録研究が今後の課題である。