[II-S10-01] 心腔内エコーガイドにより大動脈造影を全く行わない成人動脈管開存のカテーテル閉鎖術
Keywords:動脈管開存症, カテーテル治療, 心腔内エコー
症例 30歳男性、診断 動脈管開存症(PDA)、知的障害、てんかん。出生後 多呼吸あり他院でPDAと診断されていたが、家族の治療希望無く経過観察。26歳時の心カテではQp/Qs 1.3であったが、心エコーにて左室拡大が進行し(LVDd 59mm)、治療目的で紹介された。術前に造影CTで、サイフォン型の動脈管開存を認めた。エコーガイド下に左大腿静脈を穿刺し、6Frと8Frシースをタンデムに留置、大腿動脈には4Frシースを留置。型どおり診断カテーテルを行い、Qp/Qs 1.6、mPAP 15mmHg。8Frシースから心腔内(ICE)エコーカテーテル8Fr SoundStar (Biosense Webster)を挿入し、大動脈弁右冠尖、肺動脈前壁をなぞりCARTOシステム上にICEカテーテルの先端を描出させた。8FrシースからWedge Bermanを左肺動脈に挿入し、0.035” Bentsonガイドワイヤを留置、これに沿ってJ型に成形した9Frロングシースを左肺動脈に留置した。このロングシースを通して、SoundStar ICEカテーテルを左肺動脈まで進め、側面像で左気管支と交差するところで、後屈をさせた。ICEカテーテル全体を少し反時計に回し、微調整することで2本の大血管とそれを繋ぐ動脈管を描出した。動脈管が描出できたところで、エコーの画像を上下反転させ解剖学的画像を得た。肺動脈側の径は造影CTでは4.8mmであったが、ICEでは5.5mmと測定され、ADO-I 10/8を選択した。6FrのシースからMulti-purposeカテーテルを挿入し、straightのRadifocusガイドワイヤ(Terumo, Tokyo)で動脈管を逆行性に通過させた。この際、ガイドワイヤが通過しているかどうかはICEでモニターすることが出来た。6FrのAmplatzer TorqVueロングシース (J&J) を動脈管に通過させ、ADO-Iを留置した。大動脈スカートを広げ、全体のシステムを引き込み、bodyと動脈管の位置関係を確認しながら留置した。留置後残存短絡の確認をした後ADO-Iを切り離した。大動脈造影は全く施行せず。透視時間18分であった。