[II-TR01-02] Fontan術後患者の就学状況の検討
Keywords:Fontan術後, 就学状況, 知能検査
【背景】先天性心疾患の患者の生存率が向上し、患者のQOLへの関心が高まっている。【目的】Fontan術後患者のQOLの向上、将来的な社会的自立支援を目的として実施している発達及び知能検査の結果と就学状況を検討し、Fontan術後患者の就学の現状を考察する。【方法】対象:A病院で2013年7月-2017年12月にWISC-4知能検査(以下WISC)または新版K式発達検査2001(以下K式)を受けた年長及び小学1年生のFontan術後患者延べ52例。平均年齢6.0歳(5歳3ヶ月-7歳2ヶ月)。方法:WISCまたはK式結果を標準域(DQまたはIQ85以上)、境界域(70-84)、遅れ(69以下)とし、就学先別に通常の学級(以下通常級)、特別支援学級(以下支援級)、その他に分け、予定も含め進学状況を評価。【結果】発達及び知能検査結果は52例中標準域25名(48.1%)、境界域17名(32.7%)、遅れ8名(15.4%)、測定不能2名(3.8%)であった。進学状況は通常級39名(75.0%)、支援級10名(19.2%)であった。その他は特別支援学校1名、不明または未定2名であった。通常級では標準域23名(59.0%)、境界域14名(35.9%)、遅れ2名(5.1%)であった。支援級では標準域1名(10.0%)、境界域2名(20.0%)、遅れ6名(60.0%)、測定不可1名(10.0%)であった。【結論】平成26年度内閣府の調査では小中学校に通う児童生徒のうち支援級在籍の児童生徒は1.8%である。単純比較はできないがFontan術後患者には支援級を就学先に選ぶケースが多いと考えられる。ただし境界域、遅れのある患者で通常級に就学した患者もおり、後に学習でつまずいたり途中から支援級に移行したりする患者もいると推察される。就学後の丁寧なフォローと各関連機関との連携が必要と考える。