第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

急性期

一般口演(多領域専門職部門)02(II-TR02)
急性期

2018年7月6日(金) 14:10 〜 14:50 第6会場 (411+412)

座長:牛谷 千尋(神奈川県立こども医療センター)
座長:権守 礼美(榊原記念病院 看護部)

[II-TR02-03] 小児心臓外科領域における診療看護師の役割

伊藤 美佳1, 櫻井 一2, 野中 利通2, 櫻井 寛久2, 杉浦 純也2, 大沢 拓哉2, 和田 侑星2 (1.中京病院 心臓血管外科 診療看護師, 2.中京病院 心臓血管外科)

キーワード:診療看護師, 心臓血管外科, 小児

【背景】近年「チーム医療の推進」が重視され,看護師の業務役割拡大の検討される中,2015年保健師助産師看護師法において「特定行為に係る看護師の研修制度」が法制化された. 当院は,2016年4月より心臓血管外科に診療看護師が配属され医師と看護師の中間職として周術期管理を担っている. 診療看護師によるタスクシフト・タスクシェアリングにより効率的・効果的に活動するために小児心臓外科領域においても診療看護師の役割を検討する必要がある.【目的】小児心臓外科領域における診療看護師の役割を明らかにする.【方法】診療看護師の活動内容を振り返り, 小児心臓外科における診療看護師の役割を検討する【結果】診療看護師の業務内容は, 外来患者に対して一部同意書の説明や身体診察, 入院療養に対する不安などの家族対応を行う. ICU・病棟では, 医師と共にカンファレンスに参加し治療方針・患者状態を共有し, 具体的・直接指示のもと特定行為を含んだ術後管理を行っている. 医師が不在時は, 看護師からの相談や指示オーダーの対応を行い, 家族への対応については医学的知識を用いて病状や日常生活など細やかな指導・説明を行っている. また、多職種へのコンサルテーションを行い, 協働して迅速に問題解決が可能となっている.【考察】診療看護師が外来診療から携わることにより, 入院療養中や日常生活の不安に対して看護的視点から患者・家族へ生活・社会的背景を意識してシームレスに支援ができると考える. また, 高い医学的知識とコミュニケーション能力を活かし, 周術期管理のみでなく, 今後さらに増加する成人先天性心疾患患者に対して,継続的にヘルスマネージメントを行い, 日常生活を不安なく過ごせるように支援が可能と考える.【結論】小児心臓外科領域の診療看護師は, 周術期から遠隔期まで幅広くCareとCureの両視点から患者のQOL(quality of life)の向上と患者の満足度に貢献できる可能性がある.