The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

在宅・療養環境

一般口演(多領域専門職部門)03(II-TR03)
在宅・療養環境

Fri. Jul 6, 2018 3:00 PM - 3:30 PM 第6会場 (411+412)

座長:小柴 梨恵(すもーるすてっぷ保育園)
座長:原田 香奈(東邦大学医療センター大森病院 チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS))

[II-TR03-02] 不整脈を伴ったコステロ症候群患児の在宅療養移行へ向けた看護介入の検討

齋藤 真結子1, 佐藤 祥子1, 佐々木 歩1, 河原 右奈1, 工藤 和子1, 橋本 美亜2 (1.弘前大学医学部付属病院, 2.弘前大学大学院 保健学研究科)

Keywords:コステロ症候群, 在宅療養移行, 多職種連携

【背景】出生後コステロ症候群と診断された4歳男児の在宅療養に困難感を示す両親へ、心理的・社会的援助を中心に多職種連携を視野に入れた退院調整を行った。【目的】在宅療養の受容が困難な両親への心理的・社会的援助を中心とした看護介入について検討し、多職種で連携した在宅療養への移行の看護介入の示唆を得ること。【方法】コステロ症候群の患児と両親を対象とした。入院中の記録から、患児の成長発達に合わせた看護介入、両親の面会中の様子や心理面・言動の変化、多職種との連携を中心に後方視的に振り返りを行った。【結果】患児は出生時より哺乳障害や過敏症、成長発達障害等コステロ症候群特有の症状があった。家族は経口摂取が可能になってからの退院を希望していたため、症状が安定し離乳食を開始してからは、食事形態や嗜好、補助食について栄養士と連携し介入した。また、共働きで協力体制が得られない家族背景を考慮し、MSWと連携し利用可能な社会資源について情報収集を行い、家族の面会時に情報提供を行った。しかし、介入を進めていく中で、両親が患児の疾患を受容できていないことがわかり、その後の介入は困難であった。在宅ではなく医療機関や施設での療養を希望したため、転院となった。【考察・結論】小児の在宅医療は社会資源が少なく体制も整備されていない事が多い。在宅療養移行へは両親の抱える負担が大きく様々な課題が生じる。そのため、在宅療養への受容が困難な両親に対し、一方的な介入にならないように、不安要素や必要な支援について共に考え、解決策を導き出していくことが重要である。また、家族が患児と向き合い、疾患を受入れられる環境づくりを行い、家族の受容度に合わせて早期から段階的に多職種が連携し、患児と家族を支える体制作りが必要である。