第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

在宅・療養環境

一般口演(多領域専門職部門)03(II-TR03)
在宅・療養環境

2018年7月6日(金) 15:00 〜 15:30 第6会場 (411+412)

座長:小柴 梨恵(すもーるすてっぷ保育園)
座長:原田 香奈(東邦大学医療センター大森病院 チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS))

[II-TR03-03] 首都圏の保育施設におけるAED設置と保育士の小児一次救急処置の研修状況

宍戸 路佳1, 久保 恭子2, 鮎沢 衛3 (1.西武文理大学 看護学部, 2.東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部, 3.日本大学 医学部 小児科)

キーワード:保育施設, 小児一次救急処置, AED

【背景】学校管理下での児童の死亡事故は、AED設置や教職員らの救命行動の普及により減少した。一方、保育施設等における内因性死亡と推測される例は2008年から2013年までに26例あり(中村・鮎沢他)、この中にはpreventable deathsも含まれている可能性がある。【目的】保育施設におけるAED設置と保育士の小児一時救急処置の研修状況を明らかにすることである。
【方法】平成29年6月~9月、質問紙調査を行った。
【結果】995施設に配布し、289施設(29.0%)から回答を得た。
1)AEDの設置状況とAED研修の状況
約70%の施設でAEDが設置されていた。AEDを使用したことのあると回答した施設は研修で使用したのみで実際に使用した施設はなかった。AEDが設置されている施設のうち施設内でAEDの研修を行っている施設は約8割であった。
2)保育士の小児一時救急処置の研修状況
小児一時救急処置等に関する研修を施設内で行っているのは6割であり、施設内でしていない、施設内でしたくてもできないが4割あった。研修の必要性を感じていないと回答していた施設は1施設であった。自由回答として、もっと頻回にしなければならないができない状況である、講習はうけていてもいざという時にしようできるのか、動けるのか不安等の意見がきかれた。
【考察】2016年に行った調査ではAED設置率は21.6%であった。今回の調査ではAED設置率は急増し、AEDが多くの施設で設置されてきたことがわかる。乳幼児の心停止において、常にAEDの使用が有効とはいえない)が、緊急時に誰もがAEDをはじめ、乳幼児の心肺蘇生等の対応ができるように研修等の機会を設けていく必要がある。今後、研究方法の頻度、内容について検討する必要がある。
【結論】今後は緊急時対応が常にできるように研修方法の検討やスキルアップをしていく必要がある。