The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

心臓カテーテル検査・治療

一般口演(多領域専門職部門)04(II-TR04)
心臓カテーテル検査・治療

Fri. Jul 6, 2018 3:40 PM - 4:30 PM 第6会場 (411+412)

座長:武田 和也(榊原記念病院)
座長:前田 浩(榊原記念病院)

[II-TR04-01] ASO治療を受ける子どもと保護者へのプレパレーションツールの効果~絵本形式のパンフレットとご当地すごろく風スタンプラリーを用いて~

平野 麻実子1, 上甲 貴江1, 石口 由希子2, 鎌田 正博2 (1.広島市立広島市民病院 看護, 2.広島市立広島市民病院 循環器小児科)

Keywords:プレパレーション, スタンプラリー, ASO

【背景】近年心房中隔欠損症に対して、アンプラッツァー心房中隔閉鎖栓システム(以下ASO)によるカテーテル治療が主流と成っている。現在ASOのプレパレーションツールに関する報告はない。【目的】子どもがASO治療を受ける際に用いたプレパレーションツールの効果を明らかにする。【方法】ASO治療で入院し、保護者の同意がとれた3歳から7歳までの児に対し、親しみやすいキャラクターを用いた絵本形式のパンフレットを用いて、プレパレーションを実施した。内容は、児が受ける検査の手順の説明、体験する感覚、取るべき行動の説明、検査、処置の必要性を情報提供した後、保護者から児に再度パンフレットの読み聞かせを実施した。その後、保護者から児が抱いた感情や、理解度を把握し、間違った知識があれば訂正した。同時にご当地スタンプラリーを用いて、入院・検査の流れのポイントを示し、各ポイントの終了時にはシールを貼り、最終日の心臓エコー検査は医師がスタンプを押し退院となるよう作成した。【結果】児からは、キャラクターも頑張っていたから自分も頑張ると前向きな発言や、取るべき行動を言語化しながら実施でき、スタンプラリーを誇らしげに見せる姿が見られた。保護者からは、治療について子どもへの説明方法がわからずツールがあり助かった。絵本形式のパンフレットを何度も一緒に読み直すことで子どもの思いに気づくことができ不安を軽減することができたと反応があった。【考察・結論】成長発達に考慮し、児に正しい知識を与える事は、児自身に起きる事を予想させ、児なりの方法で表現することができた。これは、児が情緒表現できる機会となり、児や親の対処能力が引き出され、不安や恐怖を軽減させることができたと考える。またスタンプラリーの効果として、児が成功体験を重ね、周囲も認め褒めていくことで、達成感や自己肯定感を持つ事が出来、治療体験を楽しい体験へと変化していくことができた。