第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

心臓カテーテル検査・治療

一般口演(多領域専門職部門)04(II-TR04)
心臓カテーテル検査・治療

2018年7月6日(金) 15:40 〜 16:30 第6会場 (411+412)

座長:武田 和也(榊原記念病院)
座長:前田 浩(榊原記念病院)

[II-TR04-05] 小児心臓カテーテル検査における側面X線管球位置変更による術者被ばく低減の検討

望月 佑馬, 松井 隆之, 森 善樹, 中嶌 八隅, 金子 幸栄, 井上 奈緒, 村上 知隆 (総合病院 聖隷浜松病院)

キーワード:血管造影検査, 放射線被ばく, X線管球配置

【背景】
小児での心臓カテーテル検査は通常、正面、側面の2方向でおこなう。通常の装置では正面CアームのX線管球(以下管球)は下方に、側面管球は術者側に配置されている。循環器用血管造影装置によっては側面管球を術者の反対側に配置変更できる機能を有している装置がある。
【目的】
側面管球を術者の反対側に配置させることで、術者の被ばくが低減するかを検討すること。
【方法】
まず1)室内散乱X線の測定として、寝台に水ファントムを配置し、側面管球を術者側と術者と反対側に配置させ、側面管球からの散乱線分布をそれぞれで測定した。測定時のSID等の幾何学的配置と透視条件は小児心臓カテーテル検査と同じ設定とした。また、床からの高さ1m、1.5mを散乱線測定位置とした。2)実際に術者の被ばく線量の測定として、第一術者の防護衣外側にポケット線量計を装着し、側面管球を術者側と術者と反対側に配置させた場合で、被ばく線量を測定し、透視1分間あたりの被ばく線量率を算出し、比較した。
【結果】
1)のファントム実験では側面管球を術者側に配置した場合、散乱線は第一術者の位置で1990μSv/h(高さ1.5m)、2290μSv/h (高さ1.0m)、反対側ではそれぞれ330μSv/h (高さ1.5m)、119μSv/h (高さ1.0m)と、術者の立ち位置で床からの高さ1.0m、1.5mともに低かった。2)の術者のポケット線量計の測定では側面管球を術者側(n=25)で平均200.0μSv/h、反対側(n=75)では平均110.9μSv/hとなり、術者の被ばく線量率は減少傾向がみられた。(p=0.09)
【結論】
患者の被ばくのみでなく、術者の被ばくを考慮することは重要で、側面管球を術者と反対側に配置させることで、術者の被ばくは低減する可能性がある。