[III-MIS02-01] 岡山大学広域外科専門研修プログラムの若手外科医育成の役割
Keywords:広域外科研修プログラム, 外科マネージメントセンター, 指導者養成講習会
岡山大学外科では、2010年より消化器外科(旧第一外科)、呼吸器・乳腺内分泌外科(旧第二外科)、心臓血管外科の3教室が連携して外科マネージメントセンター(外科MC)を稼働させ、すでに外科全体として外科を目指す若手研修医の育成・サポートを行う体制が確立されている。この度の新外科専門医制度においては、我々岡山大学外科ではこの外科MCのシステムを基盤として「岡山大学広域外科専門研修プログラム」(以下、本プログラム)を作成した。本プログラムでは岡山大学を基幹施設とした71の連携施設群から構成され、連携施設群は中国四国地方から近畿地方まで広範な医療圏をカバーしている。施設群の3年間のNCD登録数は10万例を超え、専門研修指導医数も330名に及び、最先端医療から地域医療まで多彩で豊富な症例経験が可能である。本プログラムでは、基本重点コースとして、専門研修1・2年目は初期研修からのつながりで主に連携施設A(研修の中核を担う施設群)で症例経験を積み、3年目に6か月ずつ基幹施設である岡山大学病院と連携施設B(地域医療を担う施設群)での研修を行うコースを基本とし、また、サブスペシャリティー展開コースや大学院コースなど、臨床面・研究面に特色を持ったコースも準備している。本シンポジウムにおいては、本プログラムの内容を概説するとともに本プログラムの地域医療における役割・使命について考察する。また、実際に外科登録医を対象としたアンケート結果から得られた問題点についても提示する。さらに我々の取り組んでいる外科技術継承において、外科指導者養成講習会は技術的なスキルのみでなく、指導における人間性の向上に役立つものであると確信している。