[III-MIS02-02] 心臓手術の地域からみた現状と提案
キーワード:育成, 集約化, 心臓外科
震災と原発事故後、“子どもと女性が安心できる医療”を重点分野のひとつに掲げ新棟が設立し、こども医療センターの整備がなされた。NICU,GCUとも増床し、PICUも新たに設立した。手術症例数も増加傾向にある。小児循環器医療にとっては追い風といえる。一方、地方大学病院ならではの問題もある。福島医大心臓血管外科は9名で構成される。年間手術件数は320例程度で、そのうち小児の手術件数は80例程度である。小児専属は2名。手術は3名で行うが、周術期管理とその他は2人で行っている。医局構成数と手術症例数のバランスを考えれば人員配置数は妥当だろう。医局員6名で当直業務を行っている。当直時は成人患者の対応にあたり、場合によっては成人緊急手術にも入る。一方、小児術後患者は病態の特殊性もあり、夜間のファーストコールは我々に来て対応をする。日中の外来では成人患者を診察し、外勤も行う。小児循環器医療に取り組んでいる時間は週のうちどのくらいの割合だろうか・・。雑務を含め仕事量は多い。2人だからあそびがない。周囲の理解は多くはない。小児循環器外科治療は当院においてはマイナーな治療といえる。物理的、精神的余裕のなさから、少しでも安全で確実性が高い治療が最優先され、教育に対する意識は低い。勧誘に力もはいらず新入医局員も少ない。次世代教育の必要性は担当者がバーンアウトした時に初めて危機感をもって周囲が理解する。後任は使命感をもって仕事に邁進するが同じ道をたどる。患者と医師を集約化することで業務内容の改善をはかる。将来を見据えた方向性としては正しいと思う。以前から言われているが成しえず、いろいろな思惑から時間もかかる。それならば今できることは何なのか。