[III-MIS02-05] 次世代の小児心臓外科医を育てるために何をすべきか
キーワード:先天性心疾患, 重症心不全, 機械的補助循環
どの程度手術ができれば「自分は心臓外科医になった」ということができるのだろうか?上級医の指導のもとに手術ができれば、「自分は心臓外科医です」と言ってもいいのかもしれない。しかし、どんな手術でも自分が責任を持ってできるようになってはじめて「自分は心臓外科医です」と言えるようになるようにも思う。では、そのような「心臓外科医」になるためには何が必要なのか?演者もまだ未熟な部分もあるが、これまで心臓外科医になるために自分がどういうことを考え、何をしてきたか、今どんなことをしているか、そして、次世代の心臓外科医を育てるためにこれからどういうことをしていきたいか、ということを、自分の経験に基づいて以下のようなことをお話しさせていただきたい。1)心臓外科医に必要なものを身につけるために何をするか【技術:机上での練習方法(指先の技術)と立体感覚の構築(頭の技術)】やみくもに練習すれば良いというわけではなく、方法論がある。「自分がどのくらいのパフォーマンスを行っているかの指標が見える」練習をするのが重要である。【メンタル:緊張を強いられる場面でいかに最高のパフォーマンスを発揮するか】心臓外科手術は緊張を強いられる場面が多い。手術をはじめたばかりの若手心臓外科医でも、上級医でもそれは同じである。トップアスリートや音楽家のトレーニングなどが非常に参考になる。【知識:心臓外科領域の勉強、医学全般の勉強、医学以外の勉強】2)心臓外科医の留学について留学は必須ではなく、留学をせずに超一流の心臓外科医もたくさんいる。しかし、留学によって得るものもある。3)心臓外科医の教育について限られた症例のなかで若手心臓外科医にどんな手術をどのようにやってもらうか。現状とこれからについて考えていること。