[III-MOR14-01] 川崎病不応及び冠動脈病変予測における、初回IVIG投与2日後の単球数変化の有用性
Keywords:川崎病, 不応, 単球
【背景】川崎病のIVIG不応例の予測スコアは複数提唱されており、層別化された重症例にはステロイドの初期併用療法などが試みられている。IVIG終了後48時間以後も37.5℃以上あれば不応と判断されることが多いが、実際の臨床の場では微妙な状況で追加治療するかどうか悩む場面もある。初回IVIG投与後も治療修正を強いられる疾患であるが、初回IVIG後の段階でも不応やCALの予測の指標があれば追加治療を行うべきかどうかの参考になるはずである。末梢血と炎症の場である組織では単球/マクロファージの活性化が知られており、この指標に単球を利用できる可能性がある。【目的】IVIG投与前後における末梢血中の単球数変化量が不応やCAL予測に有用かどうかを検討する。【対象】川崎病患者の連続115名。【方法】post RAISE studyにのっとり、小林スコア5点未満ではIVIG+ASA、5点以上ではIVIG+ASAにPSL2mg/kg/日を併用した。IVIG投与前と投与2日後の単球数変化量と不応、CALの関係を検討した。【結果】不応に関しては、ROC解析をするとAUC0.719で単球数変化量のカットオフ値が-26.8/μLとなった。そこで、-26.8/μLで2群に分けて不応率を比較したところ、-26.8/μL以上の群で不応率が有意に高かった (22.9% vs 7.5%、p=0.02) 。CAL合併に関しては、ROC解析をするとAUC0.696で単球数変化量のカットオフ値が+60/μLとなった。そこで、+60/μLで2群に分けてCAL発生率を比較したところ、+60/μL以上の群でCAL発生率が有意に高かった (19.2% vs 3.3%、p=0.005) 。【まとめ】IVIG投与前と投与2日後の単球数変化量が-26.8/μL以上の時は不応率が高く、+60/μL以上の時はCAL発生率が高い。体温やCRP等の低下が十分でなく、追加治療に迷う状況であれば、このカットオフ値を越える場合には追加治療を積極的に考慮するとよい。