[III-MOR17-03] 1歳未満の川崎病患者におけるガンマグロブリン不応予測
Keywords:川崎病, 乳児, 不応
【背景】ガンマグロブリン (IVIG) 不応予測スコアの有効性は知られているが、1歳未満の患者での有効性についてはまだ十分わかっていない。
【目的】1歳未満の患者におけるIVIG不応予測について検討する。
【方法】初回治療をIVIGとASAで行っていた2012年から2015年の1歳未満の川崎病患者を対象に、診療録を用いて後方視的に検討した。群馬、久留米、大阪の不応予測スコアの感度と特異度を算出し、IVIG不応群と反応群の間で、不応予測スコアに含まれる個々の項目、診断時までの最高体温、最高心拍数を比較した。さらに同じ検討を月齢7ヶ月から11ヶ月の患者と6ヶ月以下の患者に分けて行った。
【結果】対象は52例(不応13例、反応39例)。不応予測スコアの感度と特異度は、群馬46%と82%、久留米69%と 74%、大阪39%と 95%だった。不応群は反応群に対して有意に治療開始病日が早く(3.5 vs 4.7日)(平均)、ビリルビン値が高く(1.2 vs 0.6 mg/dl)、最高心拍数が高かった(186 vs 172 bpm)。月齢7ヶ月から11ヶ月の31例(不応8例、反応23例)での感度と特異度は、75%と83%、75%と87%、80%と85%だった。不応群は有意に治療開始病日が早く(3.8 vs 5.1 日)、血小板数が低く(33 vs 44 万/mm3)、ASTが高く(317 vs 65 IU/l)、ALTが高かった(175 vs 48 IU/l)。月齢6ヶ月以下の21例(不応5例、反応16例)での感度と特異度は、0%と81%、60%と56%、50%と94%だった。不応群は有意に最高心拍数が高かった(200 vs 175 bpm)が、他の項目では差がなかった。
【考察と結論】月齢7ヶ月から11ヶ月の患者では、各不応予測スコアは有効と考えられた。しかし、6ヶ月以下の患者では、十分に有効とは言えなかった一方で、心拍数は不応予測の一助となる可能性が示唆された。
【目的】1歳未満の患者におけるIVIG不応予測について検討する。
【方法】初回治療をIVIGとASAで行っていた2012年から2015年の1歳未満の川崎病患者を対象に、診療録を用いて後方視的に検討した。群馬、久留米、大阪の不応予測スコアの感度と特異度を算出し、IVIG不応群と反応群の間で、不応予測スコアに含まれる個々の項目、診断時までの最高体温、最高心拍数を比較した。さらに同じ検討を月齢7ヶ月から11ヶ月の患者と6ヶ月以下の患者に分けて行った。
【結果】対象は52例(不応13例、反応39例)。不応予測スコアの感度と特異度は、群馬46%と82%、久留米69%と 74%、大阪39%と 95%だった。不応群は反応群に対して有意に治療開始病日が早く(3.5 vs 4.7日)(平均)、ビリルビン値が高く(1.2 vs 0.6 mg/dl)、最高心拍数が高かった(186 vs 172 bpm)。月齢7ヶ月から11ヶ月の31例(不応8例、反応23例)での感度と特異度は、75%と83%、75%と87%、80%と85%だった。不応群は有意に治療開始病日が早く(3.8 vs 5.1 日)、血小板数が低く(33 vs 44 万/mm3)、ASTが高く(317 vs 65 IU/l)、ALTが高かった(175 vs 48 IU/l)。月齢6ヶ月以下の21例(不応5例、反応16例)での感度と特異度は、0%と81%、60%と56%、50%と94%だった。不応群は有意に最高心拍数が高かった(200 vs 175 bpm)が、他の項目では差がなかった。
【考察と結論】月齢7ヶ月から11ヶ月の患者では、各不応予測スコアは有効と考えられた。しかし、6ヶ月以下の患者では、十分に有効とは言えなかった一方で、心拍数は不応予測の一助となる可能性が示唆された。