[III-OR32-01] 経皮的肺動脈弁置換術施行適応と考えられるパッチ形成によるファロー四徴症右室流出路再建術後患者の検討
Keywords:経皮的肺動脈弁置換術, ファロー四徴症, カテーテル
【背景】術後の右室流出路拡大が想定されるパッチ形成によるファロー四徴症右室流出路再建術後患者においてHarmony等の自己拡張型経皮的肺動脈弁置換 (PPVI) が諸外国で進められつつある。【目的】PPVIの適応と想定されるファロー四徴症術後患者背景・患者数を明らかにする。【方法】当センターでパッチ形成によるファロー四徴症右室流出路再建術を施行された661例の内カテーテル検査を施行し現在体重30Kg以上かつ中等度以上の肺動脈弁逆流もしくはRVEDVI>150ml/m2で肺動脈弁置換術後・左肺動脈狭窄へのステント留置後を除外した74例に対して手術記録・エコー・カテーテルデータからPPVI適応の有無を検討し、想定される適応患者数を算出する。PPVI適応は造影上の正側面から収縮期・拡張期での右室流出路 (RVOT)・肺動脈主幹部 (mPA)・肺動脈分岐部 (bif)径を計測し、項目A: 拡張期のRVOT径が22-34mm 項目B: 収縮期のmPA径が22mm以上 項目C: 拡張期のbif径が22-28mm 項目D: RVOT-bif長最大値が53mmより大きい、以上の4項目を満たすものとした。【結果】手術時年齢・カテ施行時年齢・体重の中央値は2歳 (0-44)・23歳 (9-67)・56.2Kg (31.4-125)で拡張期における正側面でのRVOT・mPA・bif径・RVOT-bif長の中央値は29.1×24.5mm、24.7×24.1mm, 24.0×20.9mm、25.2×30.9mm、収縮期ではそれぞれ24.4mm×21.3mm、24.2×25.3mm、24.5×22.6mm、25.2×32.7mmであった。PPVI適応項目Aを満たすのは40例、適応項目Bは36例、適応項目Cは22例、適応項目Dは1例で全項目を満たす症例は1例 (1%)であった。RVOT-bif長以外の項目を満たす症例は9例 (12%)であった。【結語】CTより過小評価している可能性はあるがRVOT-bif長が最もPPVI適応の制約となる可能性が高く、長さの短いデバイスの追加により適応症例拡大の可能性がある。