第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

カテーテル治療

一般口演32(III-OR32)
カテーテル治療 1

2018年7月7日(土) 13:00 〜 14:00 第3会場 (302)

座長:金 成海(静岡県立こども病院 循環器科)
座長:葭葉 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

[III-OR32-06] 先天性心疾患術後「超」急性期のカテーテルインターベンションは、患者の予後を改善する

小島 拓朗, 葭葉 茂樹, 小林 俊樹, 今村 知彦, 長田 洋資, 連 翔太, 中野 茉莉恵, 小柳 喬幸, 住友 直方 (埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

キーワード:術後超急性期, カテーテルインターベンション, ECMO

【背景】当院では、先天性心疾患 (CHD)術後の残存病変に対する治療的介入を目的に、術後急性期から積極的にカテーテルインターベンション (CI)を行っている。しかし、術後「超」急性期 (術後7日以内)のCIについては、症例数も少なくその有効性や安全は明らかになっていない。【目的】CHD術後超急性期のCIの安全性および有用性について評価し、CIが患者の予後改善に寄与しているかを検討する。【方法】2011年6月から2017年4月の期間に、当院でCHD術後超急性期に行われたCI 10例を対象に、CIの適応、対象疾患、CI手技、合併症の有無、予後について後方視的に検討を行った。CIの有効性の基準は、形態的な改善が得られたもの、再手術を回避できたもの、ECMOから離脱できたもの、次の外科手術に到達できたものをCI有効とした。【結果】対象となった患者の平均月齢は3.1か月 (0-9か月)、平均術後日数は4.5日 (2-7日)であった。疾患の内訳はSV 5例、HLHS 3例、TA 1例、AORPA 1例で、このうち3例はECMO下で行われた。CIの適応は、ECMO離脱困難が3例、心エコー図検査での形態異常が3例、抜管困難2例、閉胸困難1例、低酸素血症1例であった。対象となった病変部位の内訳は、LPA 5例、AP shunt 2例、RPA 1例、PV 1例、pFo 1例であり、いずれも狭窄ないし閉鎖をきたしていた。手技の内訳は、ステント5例、バルーン4例、BAS 1例であった。全体の90% (10例中9例)でCIは有効であり、生存率は90% (10例中9例)であった。このうち、ECMO下で行われた3例の生存率は66% (3例中2例)であったものの、全ての症例でECMOを離脱しえた。また、対象となった症例のうち、CI関連の合併症は認められなかった。【結語】術後超急性期のCIは安全性、有効性ともに高く、予後の改善に寄与していると思われる。一方、ECMO下で行われたCIの予後については、改善の余地を残している。