[III-OR34-01] 体重2.0kg以下の低体重児に対する両側肺動脈絞扼術の治療成績の検討
Keywords:両側肺動脈絞扼術, 低体重児, 2.0kg以下
【目的】BW≦2.0kgでの両側肺動脈絞扼術(bPAB)の治療成績を検討した.
【対象と方法】対象は2013-2017年に当院でbPABを施行したBW≦2.0kgの7/27例(26%). データは診療録から収集し後方視的に検討した.
【結果】患者背景: 診断はHLHS2, IAAorCoA/VSD(DORV)3, Truncus1, simpleCoA1. PDA依存6. GA34(30-38)wk, 出生1.75(1.28-2.19)kg. 染色体異常3(CHARGE2, 22q11.2del.1). Ductal shock1, 両側腎低形成1. 全例低体重と未熟性から初回bPABを選択.
手術情報: bPAB日齢6(3-12), BW1.57 (1.17-2.0)kg. PAB素材は金属クリップ2, 1.5mm幅ePTFEstrip(非吸収糸)5. 周径7.5-8.7mmで血行動態, PaO2, エコー(TEE2, direct4)を参考に微調整. 手術時間110 (92-132)分.
術後経過: 挿管期間90(41-408)時間. PH crisisでCPR1. 無呼吸で再挿管1. 喉頭軟化症で気切2.
観察期間19(1.5-52)月. 在院死亡1. PAB前からNEC初期を呈したHLHS. POD45, 啼泣を契機に循環動態破綻しNECで死亡. 4例が第二期手術(ICR3, arch repair+PA debanding1)到達. 1例はpalliative RVOTR待機中. 1例は併存疾患からbPAB-PDA STENTを選択. 初回手術-第二期手術期間4.7(2.9-7.6)月. 第二期手術体重3.6(3.1-5.4)kg, 体重増加0.5(0.5-0.6)kg/月. 1例PGE1-CDルート不全から循環不全を呈した. bPAB微調整を4例のべ8回施行. PA debanding時, 金属クリップの1例はPA形成を要さずPPS残存(-), ePTFEstripの2/3例で両側PAパッチ形成を要し, 同部位の止血に難渋, 軽度PPSが残存(Vp=2.6-3.0m/s)した. 経過中2例で心予備能の低下を示唆する誘因不明の心不全を呈した(maxBNP 3878, 614pg/dl).
【結論】BW≦2.0kgの児に対するbPABはおおむね良好な体重増加と第二期手術到達率をもたらした. 一方, 長期bPAB後の肺動脈形態, 肺動脈形成, 長期PGE1製剤投与に伴うルートには課題を残した. 未熟性や合併疾患に伴う呼吸管理等, きめ細かな管理が必要で, 心予備能も十分でない可能性が示唆された.
【対象と方法】対象は2013-2017年に当院でbPABを施行したBW≦2.0kgの7/27例(26%). データは診療録から収集し後方視的に検討した.
【結果】患者背景: 診断はHLHS2, IAAorCoA/VSD(DORV)3, Truncus1, simpleCoA1. PDA依存6. GA34(30-38)wk, 出生1.75(1.28-2.19)kg. 染色体異常3(CHARGE2, 22q11.2del.1). Ductal shock1, 両側腎低形成1. 全例低体重と未熟性から初回bPABを選択.
手術情報: bPAB日齢6(3-12), BW1.57 (1.17-2.0)kg. PAB素材は金属クリップ2, 1.5mm幅ePTFEstrip(非吸収糸)5. 周径7.5-8.7mmで血行動態, PaO2, エコー(TEE2, direct4)を参考に微調整. 手術時間110 (92-132)分.
術後経過: 挿管期間90(41-408)時間. PH crisisでCPR1. 無呼吸で再挿管1. 喉頭軟化症で気切2.
観察期間19(1.5-52)月. 在院死亡1. PAB前からNEC初期を呈したHLHS. POD45, 啼泣を契機に循環動態破綻しNECで死亡. 4例が第二期手術(ICR3, arch repair+PA debanding1)到達. 1例はpalliative RVOTR待機中. 1例は併存疾患からbPAB-PDA STENTを選択. 初回手術-第二期手術期間4.7(2.9-7.6)月. 第二期手術体重3.6(3.1-5.4)kg, 体重増加0.5(0.5-0.6)kg/月. 1例PGE1-CDルート不全から循環不全を呈した. bPAB微調整を4例のべ8回施行. PA debanding時, 金属クリップの1例はPA形成を要さずPPS残存(-), ePTFEstripの2/3例で両側PAパッチ形成を要し, 同部位の止血に難渋, 軽度PPSが残存(Vp=2.6-3.0m/s)した. 経過中2例で心予備能の低下を示唆する誘因不明の心不全を呈した(maxBNP 3878, 614pg/dl).
【結論】BW≦2.0kgの児に対するbPABはおおむね良好な体重増加と第二期手術到達率をもたらした. 一方, 長期bPAB後の肺動脈形態, 肺動脈形成, 長期PGE1製剤投与に伴うルートには課題を残した. 未熟性や合併疾患に伴う呼吸管理等, きめ細かな管理が必要で, 心予備能も十分でない可能性が示唆された.