[III-OR37-02] 機能的単心室に対するFontan手術後に行われた外科的再介入についての検討
Keywords:Fontan手術, 機能的単心室, 外科的再介入
【背景】機能的単心室に対するFontan手術後には、よりよい循環維持のため病態に応じて外科的再介入を必要とする場合がある。【目的】当院での機能的単心室症例に対するFontan手術後に行われた外科的再介入とその遠隔成績を検討する。【対象】当院において1980年以降のFontan手術728例のうちFontan手術後に外科的再介入を行った症例は73例(10%)であった。基礎疾患は、TA:13例、HLHS:9例、uAVSD:9例、PA:9例、MA:7例、DORV:6例であった。外科的再介入時の平均年齢は12.1±8.1歳、平均体重は37.0±18.kgで、Fontan手術から外科的再介入までの平均期間は6.5±6.2年であった。【結果】外科的再介入の内訳としてはFontan conversionが17例、房室弁置換術が7例、房室弁形成術が7例、大動脈弁置換術が4例、新規のペースメーカー留置術が33例であった。その他、pulmonary AVMに対するConduitの方向転換が1例、conduit屈曲もしくは狭窄に対してのConduit exchangeが2例、fenstration作成もしくは閉鎖が3例、Fontan take downが4例あった。外科的再介入術後30日以内の死亡が1例あり、心不全が原因であった。遠隔期死亡は6例であり、心不全が2例、脳梗塞が2例、敗血症が1例、急性脳炎が1例であった。Fontan conversion、弁置換/弁形成の症例において外科的再介入前後で比較した。カテーテル検査では、中心静脈圧(12.1±3.8 vs 10.3±1.6 mmHg)、CI(2.7±1.2 vs 3.3±0.9 L/min/m2)で、明らかな有意差はないものの、中心静脈圧の低下とCIの上昇を認めた。心臓エコー検査においてEF(56.2±9.5 vs 58.3±9.2%: p=0.28)は有意差なく、房室弁形成症例においては、房室弁逆流(2.1±0.9 vs 0.8±0.6度: p=0.008)は有意に改善した。外科的再介入前後でNYHAやpeak VO2についても明らかな有意差はなかった。【結論】機能的単心室に対するFontan手術後の外科的再介入は、効果的で安全に行うことができる。