[III-OR37-06] 純型肺動脈閉鎖(重症肺動脈弁狭窄症を含む)の治療成績:20年の中期成績
キーワード:純型肺動脈閉鎖, 中期成績, 三尖弁輪径
【背景】純型肺動脈閉鎖に対する治療では、右室・三尖弁の形態や大きさ、類洞の有無などを考慮する必要があるが、治療戦略はいまだ定まっていない。
【方法】1998年から2017年の20年間に当院で治療を行った純型肺動脈閉鎖および重症肺動脈弁狭窄症48例を対象とし、治療法・予後の検討を行った。また術前のパラメータと治療法について比較検討した。フォロー中断の2例は除外した。
【結果】男:女=26:20例。筋性閉鎖7/46例(15%)、右室依存性冠循環12/46例(26%)。観察期間は中央値92か月(2-239か月)で、1、5、10年生存率は97%、96%、96%であった。修復術前に2/46例(4%)死亡を認めたが、遠隔期死亡は認めなかった。2, 1.5, 1心室修復、待機中はそれぞれ 15/44(34%)、5/44(11%)、11/44(25%)、13/44(30%)例であった。conversionした例は認めなかった。最新の観察時には、NYHA1 39/44例 (89%)、不整脈は完全房室ブロック2例のみで、心房性不整脈は認めていない。
2心室修復と1.5心室修復術群の比較では、2心室修復群で初回手術前の心エコーによる三尖弁輪径(TVD)と肺動脈弁輪径(PVD)のZ scoreの和が有意に大きかった。またその内、シャントを必要とした症例は有意にTVDが小さかった(Cantinotti M. JASE 2014)。
【考察】純型肺動脈弁閉鎖の中期成績は、既報に比して良好であった。特に右室依存性冠循環例に対する画像診断の進歩や手術法の変化が寄与していると考えられる。また、初回手術術前の心エコーによるTVD と PVDが治療法の選択に有用である可能性がある。
【方法】1998年から2017年の20年間に当院で治療を行った純型肺動脈閉鎖および重症肺動脈弁狭窄症48例を対象とし、治療法・予後の検討を行った。また術前のパラメータと治療法について比較検討した。フォロー中断の2例は除外した。
【結果】男:女=26:20例。筋性閉鎖7/46例(15%)、右室依存性冠循環12/46例(26%)。観察期間は中央値92か月(2-239か月)で、1、5、10年生存率は97%、96%、96%であった。修復術前に2/46例(4%)死亡を認めたが、遠隔期死亡は認めなかった。2, 1.5, 1心室修復、待機中はそれぞれ 15/44(34%)、5/44(11%)、11/44(25%)、13/44(30%)例であった。conversionした例は認めなかった。最新の観察時には、NYHA1 39/44例 (89%)、不整脈は完全房室ブロック2例のみで、心房性不整脈は認めていない。
2心室修復と1.5心室修復術群の比較では、2心室修復群で初回手術前の心エコーによる三尖弁輪径(TVD)と肺動脈弁輪径(PVD)のZ scoreの和が有意に大きかった。またその内、シャントを必要とした症例は有意にTVDが小さかった(Cantinotti M. JASE 2014)。
【考察】純型肺動脈弁閉鎖の中期成績は、既報に比して良好であった。特に右室依存性冠循環例に対する画像診断の進歩や手術法の変化が寄与していると考えられる。また、初回手術術前の心エコーによるTVD と PVDが治療法の選択に有用である可能性がある。