[III-PD06-02] 大動脈弓低形成を伴う大動脈縮窄の長い屈曲病変に対する最善の治療法は手術それともステント?
キーワード:Coarctation of the aorta, Stent imolantation, Aortic arch hypoplasty
【背景】近年、小児の大動脈縮窄に対して大腿動脈の損傷を回避できる体格であれば外科治療よりもステント留置術が施行される傾向にある。しかし、特にPalmaz Stentでは留置がし難い形態の大動脈縮窄病変が存在する。【症例】15歳、男児、80kg。中学校入学時検診での心雑音の指摘を契機に、大動脈縮窄と診断された。収縮期右上下肢血圧差は20mmHgであったが、右上肢の運動時最大血圧は300mmHgを越えた。造影CTでの縮窄の形態は大動脈弓部(径12mm)から狹部までの長い90°程度の屈曲病変(直線距離34mm長)で、最狭部は左鎖骨下動脈起始部直下(径8.5mm)にあった。参照血管径は上行大動脈22mm、下行大動脈19mm。本人と家族の強いステント治療希望があったが、ステント治療、特にPalmaz Stent1個の留置では狭窄の解除は困難と思われた。【考察】本病変に対して、(1)外科治療であれば人工血管置換が必要と思われる;(2)Palmaz Stnet留置をするなら、大動脈弓部と大動脈狭部にそれぞれステントを留置する方法が考えられるが、2個のステントが干渉して狭窄解除がされない可能性がある;(3)柔軟な素材でかつ大きくside cell dilationが可能なCP Stentなら留置後にside cell dilationを施行し、さらにステントを後拡張して整形することで対応ができるか? 本病変に対する最善の治療法に関して、討議して頂きたい。