The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション7(III-PD07)
この症例をどうするか?:妊娠、出産へのアプローチ

Sat. Jul 7, 2018 8:30 AM - 10:00 AM 第4会場 (303)

座長:石戸 美妃子(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)
座長:山村 健一郎(九州大学病院 小児科)
コメンテーター:岩本 眞理(洛生会横浜市東部病院 こどもセンター)
コメンテーター:津田 悦子(国立循環器病研究センター病院 小児循環器部)
コメンテーター:山崎 啓子(宇部フロンティア大学人間健康学部看護学科 小児看護学領域)

[III-PD07-04] Fontan手術後に挙児希望をされているが、低酸素血症が持続している1症例

杜 徳尚1, 赤木 禎治1, 黒子 洋介2, 馬場 健児3, 板谷 慶一5, 牧 尉太4 小谷 恭弘2, 大月 審一3, 増山 寿4, 笠原 真悟2, 伊藤 浩1 (1.岡山大学 循環器内科, 2.岡山大学 心臓血管外科, 3.岡山大学 小児循環器科, 4.岡山大学 産婦人科, 5.京都府立医科大学 心臓血管外科)

Keywords:妊娠, 成人先天性心疾患, 低酸素血症

症例は30歳女性。出生時にチアノーゼを認め、両大血管右室起始、僧帽弁閉鎖、低形成左室、肺動脈弁狭窄、下大静脈欠損、多脾症候群と診断され、9歳の時にfenestrated lateral tunnel Fontanを施行された。以後、当院と近医で経過観察されていたが徐々に酸素飽和度が低下し、17歳の時に心臓カテーテル検査を含めた精査を行ったところ、左肺に優位の肺動静脈瘻(AVM)を認め、こちらが低酸素血症の原因と考えられた。25歳の時に結婚され、挙児希望があるも安静時SpO2 70%後半、労作時SpO2 60%台と低酸素血症を認めたため妊娠、出産は困難と判断された。ただご本人の挙児希望の意志も強く、低酸素血症の原因を再精査したところ左肺のAVMの増大を認め、心臓カテーテル検査中に施行した左肺動脈からのバブルコントラストエコーでも左心系への流入を認め、また肺機能には問題を認めなかったので、やはり左肺内のAVMが原因と考えられた。PAVMの原因としては肝静脈血流の左右肺への不均衡が原因と考えられ、27歳の時にY-graftを用いたextracardiac Fontan conversionを施行された。しかし、その後もSpO2 70%後半~80%前半の低酸素血症を認め、また左肺のAVMも乏しく、妊娠を許可する状況には至っていない。本検討ではその後の経過と含めて報告し、エキスパートの先生方からのご意見を拝聴したいと思っております。