第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

パネルディスカッション(多領域専門職部門)

パネルディスカッション(多領域専門職部門)(III-PDT)
小児期から行う移行支援-移行期をみすえて、小児期から子どもとどうかかわるか-

2018年7月7日(土) 10:20 〜 11:50 第6会場 (411+412)

座長:城戸 佐知子(兵庫県立こども病院 循環器内科)
座長:三輪 富士代(福岡市立こども病院 看護部)

[III-PDT-02] 当院における先天性心疾患患者の成人移行期支援 第2報 ~「病気のまとめ」を活用して~

奥原 由美子1, 赤堀 明子1, 小笠原 真織1, 瀧聞 浄宏2, 安河内 總2 (1.長野県立こども病院 外来, 2.長野県立こども病院 循環器科)

キーワード:成人移行期, 看護師面談, 病気のまとめ

【背景】当院では平成23年5月より、先天性心疾患の成人移行期支援をスタート、さらにトラディションプログラムを作成、質問紙、チェックリスト等を活用し支援を継続してきた。支援の中で、支援を受け身としている患者の声も聞かれ、より患者・家族中心の自己管理能力アップが課題として見えてきたことから、平成28年9月より、家庭での自己学習の目的で「病気のまとめ」の作成を開始し、支援に用いている【目的】「病気のまとめ」を用いた初回支援方法変更における患者の病気理解と看護師の役割を検討した【方法】まず、看護師と面談を行い自己管理の重要性の理解を確認した上で、医師から「病気のまとめ」の説明を受ける時期を本人・家族で決定してもらった。医師の説明後も再度、同じ看護師と面談し、説明内容の確認、補足、次回の目標設定を行った。「病気のまとめ」を用いていない平成23年5月~1年間の10~14歳192名の初回質問紙によるチェックと平成28年9月~平成30年4月までに「病気のまとめ」を活用して支援を受けた後、質問紙によるチェックを行った8~12歳の15名の結果を比較検討した【結果】「病気のまとめ」の説明日程は1,2回で決定でき、医師の説明後、看護師との面談で次回までの目標を決定し、学習に望めていた。「病気のまとめ」説明後1~3回目で質問紙に取り組め、その結果、「病名・治療内容・内服名・内服の注意点・運動制限」は20%台の結果が60~100%へ上昇していた。また、「IE予防」は20%台が50%台へ上昇し、「周囲への説明」は4%が33%へ上昇していた。看護師と前後の面談の中で自己管理の重要性を重点的に話すことで本人・家族共に意識・理解が深まったことが分かった【結語】「病気のまとめ」を活用することで、看護師は患者・家族が自ら考え、決定、行動できる動機づけが容易に行え、自立への道筋を示すことができる可能性があることが示唆された