[III-PDT-04] 慢性疾患をもつ子どもの自立支援は乳児期から始まる -子どもと家族を支援するためのcheck & support sheetの活用-
キーワード:慢性疾患, 自立支援, 家族
慢性疾患をもつ子どもの自立支援は乳児期から始まる。小児期から成人期への移行支援は、診断がついた時から将来を見すえた移行プロセスが始まっている。慢性疾患をもつ子どもの自立に向けた支援では、子どもの発達や病気体験を考慮して、発症した幼少期より準備を始めていかなければならない。 私たちの発表内容は、先天性心疾患に特化したものではなく、小児慢性疾患全体を対象とし、厚生労働科学研究補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)による「慢性疾患を有する児の社会生活支援や療養生活支援に関する実態調査およびそれら施策の充実に関する研究」の分担研究として、「患者・家族に対する支援体制の構築に関する研究」に取り組んだものである。今回は、その一環として、慢性疾患児の発達段階に沿って、幼少期からの自立に向けた療養支援のために作成した「子どもと家族を支援するためのcheck & support sheet」を紹介する。 慢性疾患をもつ子どもの自立のための支援は、「医療者とのコミュニケーション」を通して、「児童の社会参加と関連機関との連携」を行いながら、「疾患の理解」や「自己決定能力の育成」がなされ、「自己管理(セルフケア)の促進」がされるものである。子どもと親それぞれに対して発達段階に応じた支援がなされることによって、慢性疾患児の自立が促進されると考え、この5つの領域に分けて、発達段階ごとに自立度の目安となる評価指標を決定した。 今回は、乳児期・幼児前期、幼児後期に焦点を当て、「疾病の理解」や「自己管理」の達成度についてデータを示し、また、事例(5歳、心室中隔欠損症閉鎖術後、心臓カテーテル検査目的入院)を用いて、このシートの活用の仕方について検討した内容も含めて報告する。移行支援として、乳児期から何ができるか、何をしなければならないか、皆さまと考えたい。