[III-TR05-03] 先天性心疾患の子どもを持つ家族からのニーズの現状と課題~リエゾンナースへの相談内容から~
Keywords:先天性心疾患を持つ子ども, 家族のニーズ, リエゾンナース
【背景】A大学病院では、先天性心疾患(CHD)を胎児期から成人期に至るまでチームで継続支援しており、平成24年度より心理的支援を中心にリエゾン精神看護専門看護師(リエゾンナース)が伴走者の役割を担っている。現在に至るまで、CHDの子どもを持つ家族からの様々な相談をリエゾンナースが受けており、子どもの成長発達に伴い家族のニーズ(相談内容)も変化している。リエゾンナースがチームでの活動を行った6年間の相談内容を整理し、CHDの子どもを持つ家族のニーズの現状と課題を明らかにする。尚、本報告において個人が特定されないよう配慮している。【方法】2012~2017年にリエゾンナースが受けた相談内容と支援内容を胎児期・乳幼児期・児童期・思春期・成人期ごとに分類し、主な支援についてまとめ、それぞれの内容について分析し課題を明らかにする。【結果】リエゾンナースへの相談が特に多い内容は次子妊娠についてであった。これには、染色体異常があり死産となったケースも含まれる。子どもの成長に伴い、発達に関連する内容が増加傾向となる。また、特に治療の経過あるいは結果として医療的ケアが必要な場合には、就園や就学に関する相談がある。また、2016年度くらいからは、母親の仕事のキャリアに関連するような相談もあり、リエゾンナースの支援も実践から調整、倫理的調整など専門看護師としての役割を駆使している。【考察】リエゾンナースが先天性心疾患を持つ家族への伴奏者として継続的に関わることで、家族が相談先に困った時の相談相手になっておおり、家族内で悩みを抱えることは回避できていると思われる。また、支援において他機関や他院との連携がかなり拡大していることで、CHDを持つ子どもへの理解に繋がるという二次的な効果もある。今後は、継続的にこのようなデータを関連する学会等にフィードバックし、CHDを持つ子どもたちの成長発達に応じた支援の均てん化につなげる必要がある。