The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

移行期支援

一般口演(多領域専門職部門)06(III-TR06)
移行期支援

Sat. Jul 7, 2018 9:10 AM - 10:00 AM 第6会場 (411+412)

座長:青木 雅子(東京女子医科大学 看護学部)
座長:栗田 直央子(静岡県立こども病院 看護部)

[III-TR06-01] 先天性心疾患を持つ思春期患者の移行期支援 ~普通高校に通学する患者が学校生活を過ごすためにとっている行動~

加藤 清美1, 萩原 綾子2 (1.神奈川県立こども医療センター ハイケア・救急病棟2看護科, 2.神奈川県立病院機構本部事務局)

Keywords:思春期, 自立, 移行期支援

【背景】近年、在宅医療機器の進歩やノーマライゼーション理念の実現に向けた社会環境の変化もあり、障がいや医療的ケアを持っていても地域・家庭で生活したいという願いが当然のこととして受け入れられるような社会に整いはじめた。成人移行期にある思春期の患者の高校生活に注目し、患者自身が自立に向けて社会生活を送れるようにするための行動を明らかにした。【目的】先天性心疾患を持ち普通高校に通学していた思春期の患者が、他生徒と同様に高校生活を過ごすためにとった行動を明らかにし、思春期の患者に必要な成人期移行支援を考察する。【方法】事例研究。A県小児専門病院に通院している先天性心疾患を持つ普通高校を卒業した患者2名を対象に、高校生活を送るうえでの行動(登下校、学業、学校生活、体調管理)についてインタビューを実施し、内容を質的に分析した。倫理的配慮としては該当施設の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】高校生になるまでの通院生活や内服による治療の生活を≪普通の生活という認識≫としていること、周りの目が嫌で目立たなくするための工夫といった≪周囲との違いや周囲からの視線に関するストレス対処≫や、医療者や学校、家族の支援についてありがたいが過度のプレッシャーを受け何とか自身で行動を決めようといった≪行動を自分で調整できる余裕を持つ≫ことが、他生徒と同様に高校生活を送るための行動であった。【考察・結論】思春期の患者は幼少期からの経験を≪普通の生活という認識≫と捉え、成長に伴い≪周囲との違いや周囲からの視線に関するストレス対処≫を行いながら、可能な限り≪行動を自分で調整できる余裕を持つ≫という行動をとり高校生活を送っていた。移行期支援は、患者のヘルスリテラシー能力を伸ばし、自立を目指し能力に応じた支援が必要である。