The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

移行期支援

一般口演(多領域専門職部門)06(III-TR06)
移行期支援

Sat. Jul 7, 2018 9:10 AM - 10:00 AM 第6会場 (411+412)

座長:青木 雅子(東京女子医科大学 看護学部)
座長:栗田 直央子(静岡県立こども病院 看護部)

[III-TR06-03] 患者さま向けセミナーでの語りは、発表者の意識や行動をいかに変化させるか

大津 幸枝1, 岩本 洋一2, 増谷 聡2, 簗 明子2, 石戸 博隆2, 先崎 秀明3 (1.埼玉医科大学総合医療センター 看護部, 2.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器部門, 3.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器部門 非常勤講師)

Keywords:移行期支援, 自立, 行動変容

【はじめに】我々は患者・家族対象の先天性心疾患セミナー(以下、セミナー)を主催している。セミナーは、情報提供と課題共有、相互発展を目的とし、プログラムに患者自身による講演(語り)を含めている。自身のこれまでの経験や考え・気持ちを振り返るセミナーでの語りによって、発表者自身の意識や行動にどのような変化があったかを検討する。
【方法】 対象は当院通院中の先天性心疾患患者で、セミナーで講演した高校生2名と成人2名。 セミナーの語りをとおして自分と向き合った部分、伝えたかったこと、セミナー後の自身の変化について、半構造化質問法によるアンケート調査により質的に検討した。本研究は所属機関の倫理委員会の承認を得た。対象者にはアンケートによる臨床研究である旨を説明し、同意を得られた方からのみアンケートの提出を得た。
【結果】4名全員から回答が得られ、要旨は以下のようであった。高2女子:周囲のサポートや環境に対する感謝を改めて感じるようになった。高3女子:持病(Fontan術後)を友人にいかに伝えるかが長年の課題であり、理解され難い持病であることを語った。語りによる変化については記載がなかった。24歳社会人男性 :不整脈が増加して消沈していたが、語りにより貢献でき、同症状の小児をみることで、頑張ろう、協力したいと感じるようになった。28歳社会人女性:これまで以上に、周囲のサポートへの感謝が深まり、両親の苦労と向き合った。語りによる貢献に満足で、情報発信を考えるようになった。
【結語】人前で話す緊張感はあったが、終了後に達成感・満足感がみられた。振り返りを通じ、これまでを客観視でき、まわりの人への感謝の気持ちが深まる傾向がみられた。心臓病児の後輩を見て、特に社会人2名は貢献の意識が強くみられた。プラス思考が強まると期待されるセミナーでの語りを今後も継続していきたい。