The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

移行期支援

一般口演(多領域専門職部門)06(III-TR06)
移行期支援

Sat. Jul 7, 2018 9:10 AM - 10:00 AM 第6会場 (411+412)

座長:青木 雅子(東京女子医科大学 看護学部)
座長:栗田 直央子(静岡県立こども病院 看護部)

[III-TR06-04] 成人移行期支援に向けた看護介入の検討~先天性心疾患患児お親へのインタビューからの一考察~

井上 直美, 緒方 幸美, 河野 梨恵, 青木 智子, 三輪 富士代 (福岡市立こども病院)

Keywords:先天性心疾患, 成人移行期支援, 看護

【目的】先天性心疾患患児の9割が成人になる事が可能と言われており、移行期支援が重要な課題となっている。本研究では、成人への移行支援に向けて先天性心疾患を持つ子どもと親の病気の捉え方を知り、病気の説明や、情報の獲得に必要な看護介入を明らかにする事を目的とした。【方法】1.対象:A病院入院中の先天性心疾患術後の思春期患児5名(平均年齢14.8歳)とその親5名。2.調査期間:平成28年7月~9月。3.分析方法:子ども、親それぞれ個別に半構造化面接を行い逐語録作成、質的分析を行った。本研究は院内倫理委員会の承認を得て行った。【結果】親の病気の捉え方は28サブカテゴリーと10カテゴリー、子どもの病気の捉え方は50サブカテゴリーと13カテゴリーが抽出された。以下、カテゴリーを〈 〉で示す。親は〈病気であるが故の体験〉をきっかけに〈子どもに病気のことを説明〉しており、〈説明や認識確認のきっかけの欠如〉があると〈説明のための困難〉を感じていた。また、〈病気の管理を子ども主体で行っていけるような工夫〉や〈子どもとの関係性が良い〉ことで、〈親の介入なく病気の管理を行えると感じる〉ようになり、更には〈子どもの将来への期待〉を感じるようになっていた。子どもは〈社会生活について周囲から理解を得た体験〉や医師や親からの〈情報獲得〉によって、〈病気を自分の事として認知〉していた。しかし、〈病気の事で困ったり悩んだりした経験の欠如〉がある場合には〈病気を自分の事として捉えられていない〉ことにつながり、病気への関心や内服管理には消極的であった。【考察】親,子ども共に,病気の説明や情報の獲得において “きっかけ”が必要であると考えられた。移行支援において看護師は,親と子どもの病気に関する捉え方を知り、説明の“きっかけ”を作り、親子それぞれに向けた情報提供を進める事,状況と発達段階に応じて介入する事が重要である。