[P04-01] 鹿児島市学校心臓検診39年の歴史を振り返って
キーワード:学校心臓検診, スクリーニング, 突然死
【背景】日本は新入生全員の検診を行っている唯一の国であり, 1973年学校保健法改正以降全員の検診が推奨されている. 鹿児島市は1967年校医抽出生徒のみの検診から始まり, 1979年 小一全員検診が開始, 1983年 高一全員, 1985年 中一全員の検診が行われているが検診の検証が行われていない. 【目的】1979年以降の鹿児島市学校心臓検診の現状, 問題点を調べる事.【方法】市医師会雑誌に掲載されている統計資料を用いて解析した. 【結果】39年間で総計680,742人の新入生のうち99.4%が一次検診を受診していた. (小一 249,964名中 99.7%, 中一 223,492名中 99.4%, 高一 200,438名中 99.1%, 特別支援クラス 6,848人中 96.1%) 二次対象者は 15,219人で94.6%が検診を受診し, 有所見と判定されたのは4,714人 (0.7%) であった. 管理区分はA 1名, B 7名, C 27名, D 110名, E禁 248名, E可 4,387名で, 既管理者は記載のある1991年以降で6,374名であった. 電算解析は異常なしだったが、専門医再判読で異常とされたのは2001年以降187名で, うち有所見は47名であった. 心臓検診で初めて異常が判明した生徒は, 1990年以降で2,150人 (ASD 49名, HCM 19名, PVC 886名, WPW 320名, QT延長 296名, VT 6名, IPAH 1名他) であった. 【考察】鹿児島市学校心臓検診は受診率が極めて高く, 一般人口母集団として重要な情報を提供している. 検診の目的は時代と共に先天性から突然死予防へシフトしており, 判定ばらつき解消のため検診の精度管理が重要となる.【結論】学校検診は突然死高リスク群の一部を確実に抽出できている. 更なるデータ解析により検診へのフィードバックが必要である.