The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスターセッション04(P04)
学校保健・疫学・心血管危険因子 1

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:片山 博視(大阪医科大学 小児科)

[P04-03] 都市部近郊の一次学校心臓検診システム変更の意義と効果:小学校4年の追加と全例12誘導心電図への変更

中村 常之, 堀 香織, 小栗 真人 (金沢医科大学病院 小児循環器内科)

Keywords:学校心臓検診, 小学校4年, 進行性心疾患

【背景】学校管理下における突然死、事故の減少に学校心臓検診(学心検)が大きく寄与していることは疑いのない事実である。その一方で、進行性心疾患を放置してしまう6年間(小1から中1)の非検診期間の問題がある。心電図所見の新たな抽出条件を追加することで解決する場合もあるが、システム(S)を変更することで、これらの問題を劇的に解決する場合がある。【目的】今回、都市部近郊学心検S変更にかかわり、S変更の手続き、予算関連の増減、S変更の効果を報告する。【方法】X県都市近郊でのH28年度、29年度学心検を比較検討した。H28年度小1(810名)、中1(1051名)で、一次は簡易心電図、心音図を用いた。循環器専門医4名と小児循環器専門医1名が二次、三次抽出の判定を行った。二次、三次は1つの施設で全例心エコー、胸部XP、負荷心電図、さらに必要に応じて防水ホルターを用いて判定した。H29年度小1(860名)、中1(965名)に加え、小4(950名)を追加した。二次、三次抽出の判定医として循環器専門医2名が追加となった。また全例十二誘導心電図のみに変更した。二次、三次は前年同様である。【結果】S変更手続き:H28.11各関連3市町教育長との面談を行い、小4の追加の意義を伝える。H29.3各関連3市町の議会にて予算計上案の審議および認可決定。同時に、本地区医師会で循環器専門医2名に二次、三次抽出の判定医依頼を行った。H29.4心電図読影の勉強会を開催。H29.6一次学心検、H29.7二次、三次学心検を行い、H29.8医師会および学校へ結果報告を行った。予算:H28年度3,212,460 円(一人あたり1,655円)、H29年度4,482,540 円(一人あたり1,614円)。学心検結果:H28年度二次抽出49名、H29年度59名。小1時管理不要とされたが、今回の小4時で肥大型心筋症と判定された症例が1名いた。【結語】S変更が有効に機能した学心検を経験した。