The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管

ポスターセッション10(P10)
川崎病・冠動脈・血管 1

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:高橋 徹(弘前大学大学院 保健学研究科)

[P10-01] 初回単独免疫グロブリン療法終了後にアスピリンを開始したプロトコールによる治療を受けた年長発症川崎病の転帰

中田 利正 (青森県立中央病院 小児科)

Keywords:Kawasaki disease, intravenous immunoglobulin, older children

【背景】川崎病年長発症は心血管病変の独立した危険因子とされており、年長発症川崎病の冠動脈病変(CAL)合併率は高い。多重ロジスティック解析を用いた研究において、中等量のアスピリン併用は初回IVIGのCAL抑制効果に悪影響を与えている可能性が示され、初回IVIG終了後にアスピリン(A)を開始することがCAL合併抑制に有効であることがわかってきた。【目的】初回単独IVIG終了後にAを開始したプロトコールによる初回治療を受けた年長発症川崎病の転帰を明らかにすること。【方法】5歳以上で発症し、2004年1月~2017年2月に、このプロトコールによる治療を受けた川崎病患児25例の診療データを後方視的に検討した。A代用薬としてフルルビプロフェン(F)を用いた症例も含めた。A/Fは初回IVIG終了後24時間以内に開始した。【結果】25例の性比(男児/女児)=11/14、発症年齢の中央値6歳5カ月(最小値5歳0カ月~最大値13歳3カ月)、初回IVIG開始病日の中央値6(最小値4~最大値13)、A/F=15/10、不全型4例(16%)であった。初回IVIG不応例は8例(32%)、不応に対する追加治療例は3例(12%)、3次治療例(ウリナスタチン)1例(4%)であった。合併症はCAL 0例、治療を必要とした非心臓性合併症3例(12%)で、一過性失明、遷延性関節炎、環軸椎回旋位固定による遷延性頸部運動制限、を各々1例に認めた。3例の非心臓性合併症は、すべて治療により治癒した。合併症を認めた3例はすべて初回IVIG不応例で、初回IVIG終了後の炎症マーカーが、合併症を認めなかった22例に比較して有意に高値であった。【結論】初回単独IVIG終了後にA/Fを開始したプロトコールによる初回治療を受けた年長発症川崎病の転帰は良好であった。