[P10-03] 難治性川崎病の急性期治療中に深在性アスペルギルス感染を合併した2症例
キーワード:川崎病, 不応例, アスペルギルス感染
我々は川崎病の急性期治療中に深在性アスペルギルス感染を合併した2 症例を経験した。1 例目は5 歳男児例。5 病日に大量ガンマグロブリン静注(IVIG)、6 病日から9 病日にかけてステロイドパルスとIVIGの併用を反復したが炎症反応の改善を認めず、10 病日から12 病日にかけて血漿交換を3クール行い炎症反応は低下したが持続した。13 病日にインフリキシマブ投与して炎症反応は陰性化したが、19 病日に38 度台の再発熱を認め、再度IVIGを行い、解熱と手指の膜様落屑を認めた。ところが23、29 病日に川崎病症状の再出現なく、再度38 度台の発熱を認めた。各種検査の結果、原発巣は不明であったがβ-D グルカン上昇とアスペルギルス抗原陽性により深在性アスペルギルス感染と診断し治療を要した。2 例目は4 歳女児例。4 病日にIVIG行われたが解熱なく、7 病日から8 病日にかけてステロイドパルスとIVIGの併用を行い解熱した。11 病日から再度発熱を認め、IVIGの追加投与も行ったが同日の検査でβ-Dグルカンが上昇していた。アスペルギルス抗原が陽性であり、本症例も病巣は不明だったが、深在性アスペルギルス感染として治療を要した。
川崎病の治療目標は急性期の強い炎症を可能な限り早期に終息することである。そのため、発熱を認める場合は治療不応と判断し繰り返し追加治療を行うが、川崎病の急性期治療中に再発熱を認めた際、川崎病の再燃と感染との鑑別が難しい場合がある。我々は、IVIGにステロイドパルスを併用した治療後に、アスペルギルス感染を起こしたと考える症例を経験した。重症川崎病の治療中に再発熱した場合、真菌感染の合併も視野にいれ検索する必要がある。
川崎病の治療目標は急性期の強い炎症を可能な限り早期に終息することである。そのため、発熱を認める場合は治療不応と判断し繰り返し追加治療を行うが、川崎病の急性期治療中に再発熱を認めた際、川崎病の再燃と感染との鑑別が難しい場合がある。我々は、IVIGにステロイドパルスを併用した治療後に、アスペルギルス感染を起こしたと考える症例を経験した。重症川崎病の治療中に再発熱した場合、真菌感染の合併も視野にいれ検索する必要がある。