The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

心血管発生・基礎研究

ポスターセッション13(P13)
心血管発生・基礎研究 1

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:武田 充人(北海道大学病院 小児科)

[P13-01] 若年ウサギを用いた血流下大動脈ホモグラフト移植後石灰化に対する炭酸ランタンの有用性と有害事象の検討

岡村 賢一, 山内 治雄, 木下 修, 近藤 良一, 高岡 哲弘, 益澤 明広, 平田 康隆, 小野 稔 (東京大学 医学部附属病院 心臓外科)

Keywords:炭酸ランタン, ホモグラフト, 石灰化

【背景】若年者では大動脈ホモグラフト移植後早期に、石灰化による吻合部仮性瘤やグラフト破綻を来たしやすい。今回、若年ウサギの血流下大動脈ホモグラフト移植後石灰化モデルに対してリンバインダーである炭酸ランタンの有用性・有害事象を検討した。【対象と方法】生後7週の成長期New Zealand White Rabbitの下行大動脈をJapanese White Rabbitの頸動脈に移植後に、通常飼料8週間投与群をN8群(n=12)、5%炭酸ランタン含有飼料1週間に続く通常飼料7週間投与群をL1N7群(n=13)、同様にL2N6群(n=10)、L4N4群(n=11)、L8群(n=14)を作成した。移植後8週間でグラフトを摘出し、病理学的評価、石灰化定量(原子吸光度法)、内膜/中膜比、血漿Ca・Pi・LDH・ALP値、体重増加、大腿骨長、大腿骨骨密度、骨強度を測定した。【結果】病理学的評価ではvon Kossa染色においてN8群で高度石灰化を認めたが、他の群では抑制されていた。石灰化定量測定ではN8群に対し他の群では減少しており、L8群で有意に低値であった(p<0.05)。EVG染色で内膜/中膜比をn=3ずつ測定すると、統計学的に有意差はないがN8群に対し他の群で低下していた。血漿Ca・LDH・ALPは有意差を認めず、PiはL8群で有意に低値であった(p<0.01)。体重増加はL8群で有意な低下を認め、骨密度と大腿骨長はL4N4群、L8群がN8群に対して有意に低下し、骨強度試験ではL8群のみN8群に対して有意に低下していた。【結語】術後短期間(本モデルでは2週間)の炭酸ランタン投与は、若年者の大動脈ホモグラフト移植後石灰化と内膜肥厚を抑制しつつ、リン抑制に伴う成長障害の影響を最小限に抑えることが示唆された。