The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ポスターセッション

心血管発生・基礎研究

ポスターセッション13(P13)
心血管発生・基礎研究 1

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:武田 充人(北海道大学病院 小児科)

[P13-02] 尿中細胞からiPS細胞を調製

羽山 恵美子1, 古谷 喜幸1, 川口 奈奈子1, 勝部 康弘2, 島田 光世1, 大路 栄子1, 松岡 瑠美子3, 稲井 慶1, 中西 敏雄1 (1.東京女子医科大学 医学部 循環器小児科, 2.日本医科大学 小児科, 3.若松河田クリニック)

Keywords:尿細胞, iPS細胞, 非侵襲

【背景】 患者induced pluripotent stem cell (iPSC)から分化誘導した心筋細胞は、直接得ることの難しい心筋細胞などに代わるin vitro心疾患モデルとして有用である。樹立当初皮膚生検により得られる線維芽細胞を用いてiPSCは調製されたが、近年侵襲のより少ない血液細胞(T細胞や不死化B細胞)に、山中因子をセンダイウイルスやエピソーマルベクターを用いて導入し調製する方法が確立された。我々は侵襲なく得られる尿中の細胞に着目し、これからiPSC を調製する方法を検討した。【方法】 ヒト尿から細胞を遠心分離し、ヒドロコルチゾン,ヒト上皮成長因子, ウシ胎児血清,エピネフリン,インスリン,トリヨードサイロニン,トランスフェリンを含むDMEM培地を用いて初代培養細胞を得た。定量PCR法により増殖した細胞の特徴を調べ、電気穿孔法により、山中因子を尿由来細胞に導入し、iPSCをフィーダーフリー培養により誘導した。【結果・考察】 尿中の細胞を培養し、約1週間で細胞コロニーを複数検出した。コロニーを一旦単細胞として培養を継続し、2週間程度で増殖細胞を得た。定量PCR法によりこれらの細胞は、主に腎上皮細胞に相当するとの結果を得た。この細胞に、パルス電気刺激を与え,OCT3/4, SOX2, KLF-4, c-MYC, LIN28,p53DDが入ったエピソーマルベクターを導入した。StemFit02培地を用いたフィーダーフリー培養により、約3週間でiPSC様増殖細胞を得た。定量PCR法によりこの細胞ではNANOG等の多能性マーカーの発現が亢進していることを認めた。現在多能性マーカー抗体を用いた確認実験を進めている。【結論】 尿から約2週間で増殖性上皮細胞が得られ、さらに約3週間でiPS細胞コロニーを得た。非侵襲の尿検体から、簡便・迅速にiPSCが得られることから、本法の今後の活用が期待される。