[P15-04] 体肺側副動脈血流量がFontan循環に及ぼす影響
キーワード:Fontan, 体肺側副動脈, 静脈キャパシタンス
【背景】体肺側副動脈(APCA)は、Fontan循環の負荷となる無効循環と考えられる。従来、APCA流量の定量は困難で、Fontan循環に及ぼす影響は明らかでない。APCA流量が、Fontan循環に及ぼす影響を探索的に検討する。
【方法】対象は、心臓MRIを施行した、開窓を有さないFontan術後の連続26例(年齢10.5歳±4.8歳)。APCA流量は、MRIのphase-contrast法により肺静脈-肺動脈血流量、または上行大動脈-(上大静脈+下行大動脈)血流量から求めた。循環特性は、MRIによる流量・容積測定とカテーテル検査による圧指標により評価した。色素希釈法で血液量を求め、バルサルバ法により算出した平均充満圧で除して静脈キャパシタンスを算出した。
【結果】APCA流量は、0.37±0.27L/min/m2であった。APCA流量の増加とともに前負荷指標係数、一回拍出量係数が有意に増加し (p<0.01, R2=0.28 ; p<0.01, R2=0.34)、log BNPも軽度の増加傾向を認めた(P=0.07)が、EDP・CVPの増加を認めなかった。APCA流量に対し、静脈キャパシタンスは一峰性で、中程度のAPCA流量で大きくなる傾向を認めた(P<0.05)。
【結論】Fontan循環は前負荷予備能が乏しい。APCA流量に依存して心拍出が増加するものの、適度であればFontan循環への悪影響は最小限であり、BNP系の微増・静脈キャパシタンスの確保といった正の側面もあり得ると考えられた。今後、APCA流量が負荷時の循環に与える影響の検討が必要である。
【方法】対象は、心臓MRIを施行した、開窓を有さないFontan術後の連続26例(年齢10.5歳±4.8歳)。APCA流量は、MRIのphase-contrast法により肺静脈-肺動脈血流量、または上行大動脈-(上大静脈+下行大動脈)血流量から求めた。循環特性は、MRIによる流量・容積測定とカテーテル検査による圧指標により評価した。色素希釈法で血液量を求め、バルサルバ法により算出した平均充満圧で除して静脈キャパシタンスを算出した。
【結果】APCA流量は、0.37±0.27L/min/m2であった。APCA流量の増加とともに前負荷指標係数、一回拍出量係数が有意に増加し (p<0.01, R2=0.28 ; p<0.01, R2=0.34)、log BNPも軽度の増加傾向を認めた(P=0.07)が、EDP・CVPの増加を認めなかった。APCA流量に対し、静脈キャパシタンスは一峰性で、中程度のAPCA流量で大きくなる傾向を認めた(P<0.05)。
【結論】Fontan循環は前負荷予備能が乏しい。APCA流量に依存して心拍出が増加するものの、適度であればFontan循環への悪影響は最小限であり、BNP系の微増・静脈キャパシタンスの確保といった正の側面もあり得ると考えられた。今後、APCA流量が負荷時の循環に与える影響の検討が必要である。