[P17-05] DORV+doubly committed subarterial VSDに対するDamus-Kaye-Stansel+Rastelli術
キーワード:両大血管右室起始, Damus-Kaye-Stansel手術, Rastelli手術
【目的】両大血管右室起始(DORV)の二心室修復では、円錐中隔(両大血管)・心室中隔欠損孔・心室中隔の空間的位置関係によって、心室分割のパッチ縫着が異なる。Doubly committed subarterial (DCSA) - VSD合併例ではパッチ縫着ライン決定に難渋する場合がある。これに対する当施設での工夫を提示する。【方法】症例1: 9カ月の男児(体重5.5 kg)。生後2週でPA banding + PDA ligation。やや左側に変位した両半月弁の分割ラインがtotal conus defect typeの大きなDCSA - VSDの面に直交していた。症例2:7ヶ月の女児(体重6.5kg)。生後1カ月でPA banding + PDA ligationを施行。両半月弁はmuscular outlet type の大きなDCSA -VSDに騎乗し、その分割ラインはVSDと直交していた。両症例ともに左室‐大動脈弁reroutingおよびarterial switchのためのVSD閉鎖は困難と判断し、左室からVSDを通り両大血管へと血流を導くように0.4mm PTFE パッチを縫着し(intraventricular rerouting)、上行大動脈と主肺動脈近位をDamus-Kaye-Stansel吻合で連結した。右室切開口上端に左心耳外膜面を介して主肺動脈遠位端後周を縫着し新右室流出路後壁を作成し、0.1mm PTFE sheet 1弁付きグルタールアルデヒド処理自己心膜を前壁として縫着するRastelli術を行った。【結果】術後心臓超音波検査では2例ともに右室流出路および左室流出路に狭窄所見は無く、軽快退院した。【結語】症例の蓄積と長期観察により、本術式がかかるDORVに対する有用な二心室修復の一選択肢になることを確認したい。