第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション19(P19)
電気生理学・不整脈 1

2018年7月5日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:高橋 一浩(木沢記念病院 小児科)

[P19-03] アミオダロン静注による間質性肺炎を呈した純型肺動脈閉鎖、右室依存性冠循環の乳児例

星名 哲1, 堀口 祥1, 水流 宏文1, 塚田 正範1, 小澤 淳一1, 鳥越 司1, 羽二生 尚訓1, 沼野 藤人1, 齋藤 昭彦1, 高橋 昌2, 白石 修一2 (1.新潟大学 医歯学総合病院 小児科学分野, 2.新潟大学 医歯学総合病院 心臓血管外科)

キーワード:アミオダロン, 間質性肺炎, 心室頻拍

【背景】難治性不整脈の治療としてアミオダロン(AMD)がしばしば使用される。成人領域ではAMDによる間質性肺炎(IP)、肺線維症は致死的合併症として留意すべきとされるが、小児での報告は稀である。今回我々はAMDによると考えられる間質性肺炎を合併した乳児例を経験したので報告する。【症例】症例は3か月女児。純型肺動脈閉鎖、類洞交通、右室依存性冠循環(RVDCC)疑い。 RVDCCが疑われるため、早期のBTシャント術は、拡張期血圧を低下させ、心筋酸素供給量低下させ、予後不良と考えられたため、PGE1を使用し、動脈管を開存させ、両方向性グレン手術(BDG)を待機していた。2か月時 難治性の心室頻拍(VT)が出現し、各種不整脈薬に抵抗性であったためAMD持続静脈静注を開始し、VTを管理した。月齢2ヶ月という早期であったがBDGを施行。術後呼吸循環動態は安定し、VTも消失したため、AMD内服に変更した。BDG術後20日目 気胸による呼吸状態悪化をみとめ、術後22日目肺出血を合併し、呼吸不全、循環不全となり、ECMO装着した。ECMO使用4日目に非持続性心室頻拍が認められAMD divを再開した。酸素化が保てずECMOからの離脱ができないため、7日目にBTシャントを追加し、ECMOから離脱した。BTS術後徐々にレントゲン上スリガラス陰影が増強し、呼吸状態が悪化した。KL-6の著明高値となり、AMDが原因のIPが疑われた。AMDの中止、2回のメチルプレドニゾロンパルス療法を行い、間質性陰影は徐々に改善したが、呼吸不全は長期におよび、人工呼吸管理から離脱できず、気管切開を行い、在宅人工呼吸管理が必要であった。【結語】超早期のBDG、気胸や肺出血合併による呼吸状態不良、ECMOを含めた長期集中治療、静注用アミオダロンの長期使用などがAMDによるIPを生じさせた可能性がある。小児期でもAMDによるIPなどの急性肺障害が出現する可能性があり、留意すべきである。