The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション20(P20)
電気生理学・不整脈 2

Thu. Jul 5, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:青木 寿明(大阪母子医療センター)

[P20-05] 胸部打撲後に認めた一過性完全右脚ブロック

辻井 信之1, 吉澤 弘行1, 林 環2, 嶋 緑倫1 (1.奈良県立医科大学 小児科, 2.奈良県立医科大学附属病院 総合周産期母子医療センター)

Keywords:一過性右脚ブロック, 心筋挫傷, 外傷

【背景】鈍的心損傷に伴う心電図変化の報告は成人領域での報告は散見されるが、小児領域では稀である。今回、胸部打撲後に一過性完全右脚ブロックを認めた小児例を経験したので報告する。【症例】症例は11歳男児。成長ホルモン分泌不全性低身長症のため当科で成長ホルモン療法中。中学校のフィールドホッケー部での部活動中にボールを至近距離から胸部に受け、胸痛を訴え近医受診。受傷2時間半後の胸部レントゲンでは異常認めなかったが、12誘導心電図で完全右脚ブロックを認めたため、当科を紹介受診。受傷3時間半後の12誘導心電図では完全右脚ブロックから改善し、2年前の12誘導心電図と比較してもST変化等認めなかった。血液検査でCK-MB (20U/l)・心筋トロポニンT (0.032ng/ml)・心室筋ミオシン軽鎖I (2.3ng/ml)の上昇は認めず、心エコーでも異常は認めなかった。胸部打撲による鈍的心損傷に伴う一過性完全右脚ブロックと診断した。【考察】胸部打撲により血液検査・心エコーで異常を認めなくても、刺激電導障害をきたすことがあり、異常心電図は心筋挫傷の存在を示す重要な所見であるため12誘導心電図スクリーニングは重要である。学校生活での胸部打撲において、心臓振盪だけでなく心筋挫傷も起こりうるため、啓蒙が重要である。