[P21-01] 体成分分析法によるミネラル値は先天性心疾患患者の運動耐容能と相関する
キーワード:先天性心疾患, 運動耐容能, ミネラル
【背景】心不全における骨量低下は、運動耐容能の低下や骨折によるADLの低下につながる。近年、生体電気インピーダンスによる体成分分析法が各方面で臨床応用され、低侵襲で簡易に骨量と相関するミネラル値も測定できるが、先天性心疾患の分野での報告は少ない。今回、先天性心疾患患者において体成分分析で測定したミネラル値と運動耐容能の関係について検討した。【対象および方法】後方視的検討。対象は2014年から2017年の間に当院に入院した先天性心疾患患者で、体成分分析法でミネラル値を測定した152名。男性73名、女性72名で年齢中央値は26歳(12-60歳)であった。ミネラル値と運動耐容能を含めた臨床データとの関連について検討した。【結果】Fontan循環の患者では2心室循環の患者よりもミネラル値が低値であった(mean 1.03 kg/m2 (95%CI 1.00-1.05) vs. 1.07 kg/m2(同1.05-1.10) , p=0.015)。また、ミネラル値はNYHA functional classやBNPとは関連を認めなかったが、peak VO2 (r=0.44, p<0.001), 6分間歩行距離 (r=0.21, p=0.023), 骨格筋量 (r=0.89, p<0.001)と関連していた。ROC曲線ではpeak VO2<20ml/kg/m2に対するミネラル値のcutoff値は0.97 kg/m2(Area under the curve 0.71)であった。【結論】体成分分析で測定したミネラル値は、慢性心不全に伴う骨量低下を反映している可能性があり、先天性心疾患患者の運動耐容能と相関する。