The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

周産期・心疾患合併妊婦

ポスターセッション23(P23)
周産期・心疾患合併妊婦 2

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:上野 健太郎(鹿児島大学病院 小児診療センター)

[P23-03] 先天性心疾患児における胎児診断の現状とその役割

飯田 千晶1,3, 宗内 淳1, 渡辺 まみ江1, 杉谷 雄一郎1, 岡田 清吾1, 白水 優光1, 川口 直樹1, 城尾 邦隆1, 落合 由恵2, 安東 勇介2, 宮城 ちひろ2 (1.九州病院 小児科, 2.九州病院 心臓血管外科, 3.佐賀病院 小児科)

Keywords:胎児診断, 先天性心疾患, 新生児期治療

【背景】先天性心疾患(CHD)における胎児診断例は増加しつつある。一方で胎児期未診断の重症CHD児も存在する。そこで新生児CHDに治療における胎児診断の現状と役割を検討した。【対象と方法】2012年以降、当院NICUに新規入院したCHD193例(男109:TOF29、TGA24、COA/IAA22等)を対象とし、新生児~乳児早期に手術やカテーテル治療などの積極的治療を要した例を重症例とした。胎児診断74例と非診断119例の2群間で生存率(Kaplan-Meier法)と初回の治療介入までの期間(t検定)を比較検討した。【結果】出生週数は中央値39(33-42)週、出生体重は中央値2874(1250-4338)gで2群間に差はなかった。胎児診断例内訳はTOF14、DORV9、PAIVS6、TGA6等であった。胎児診断群、非診断群の5年生存率はそれぞれ80%、90%で有意に診断群の方が低かった(p=0.04)。重症例は胎児診断群34%、非診断群52%であり、重症例に限った5年生存率は胎児診断群85%、非診断群95%で2群間に有意差はなかった(p=0.35)。次に、治療介入日齢は胎児診断群18(0-182)日に対し、非診断群32(0-197)日で診断群でより早期治療介入が必要であった(p=0.02)。【考察】胎児診断群では重症例が多く生存率が低かった。胎児診断群では治療介入日齢も低いことから症状の進行・コンディション悪化前に治療介入できていたことがうかがえた。一方で、非診断群の中にも日齢0での緊急治療を要した症例が9例存在した。これらの症例を見逃すことなく診断することが重要で、胎児診断の一層の精度向上が望まれる。