[P24-01] 当科の社会貢献-「学校の先生方とともに考えるこどもの心臓病談話会」3年間の経験-
キーワード:学校教員, 相互理解, 談話会
【背景】多くの心疾患の治療が長足の進歩を遂げ、生活の場に戻り通学が可能になる患児が飛躍的に増えた。しかし、例え同じ病名でも、病態や病状・生活制限は個々で大きく異なる。限られた人員で、個人・全体を俯瞰して把握しなければならない学校教員には、大きな戸惑いや不安がある。心臓病理解向上の潜在的希望が多いため、我々は「学校の先生方とともに考えるこどもの心臓病談話会」(以下談話会)を開催してきた。その成果を検討する。
【方法】県内全域の小・中・養護学校に郵送・ポスター・メール等により告知し、2015年~2017年に年一回、一回二時間の談話会を開催した。内容は、医療者からのレクチャー(心疾患説明、学校生活管理指導表(指導表)作成の心、等)、患児本人と保護者の体験発表、学校教員からの実例報告・講演、ケースカンファレンス・質疑応答等。終了後にアンケートを施行し、内容を定性的に検討した。
【結果】各年60名程度の参加者を得た。疾患理解が深まり、患児の生の声を詳細に聴け、お互いの経験に基づく議論が可能であったと高い満足度を得た一方で、教員からは管理向上と心事故予防の観点から、指導表よりも具体的に何をどこまでやってよいかを事細かく知りたいという要望が寄せられ、医師からは必要以上の細分化は困難で体調の良し悪しでも「適度」の範囲が変わり得ることを説明し、互いの立場の理解に努めた。夢中になりやすい小児の自覚症状にどこまで任せてよいか、についても議論された。
【考按】立場の相違はあるものの、教員・医師との直接交流により相互の理解が深まり、両者の高い満足度につながった。日常の長い時間心臓病児とともにする学校教員と、病態を理解し疾患管理を行う医療者とは、こどもの将来を創る同志として相互に学び合う必要がありながら、これまで十分な交流が持てていなかった。本会を継続し、児童・生徒の学校生活の向上に貢献していきたい。
【方法】県内全域の小・中・養護学校に郵送・ポスター・メール等により告知し、2015年~2017年に年一回、一回二時間の談話会を開催した。内容は、医療者からのレクチャー(心疾患説明、学校生活管理指導表(指導表)作成の心、等)、患児本人と保護者の体験発表、学校教員からの実例報告・講演、ケースカンファレンス・質疑応答等。終了後にアンケートを施行し、内容を定性的に検討した。
【結果】各年60名程度の参加者を得た。疾患理解が深まり、患児の生の声を詳細に聴け、お互いの経験に基づく議論が可能であったと高い満足度を得た一方で、教員からは管理向上と心事故予防の観点から、指導表よりも具体的に何をどこまでやってよいかを事細かく知りたいという要望が寄せられ、医師からは必要以上の細分化は困難で体調の良し悪しでも「適度」の範囲が変わり得ることを説明し、互いの立場の理解に努めた。夢中になりやすい小児の自覚症状にどこまで任せてよいか、についても議論された。
【考按】立場の相違はあるものの、教員・医師との直接交流により相互の理解が深まり、両者の高い満足度につながった。日常の長い時間心臓病児とともにする学校教員と、病態を理解し疾患管理を行う医療者とは、こどもの将来を創る同志として相互に学び合う必要がありながら、これまで十分な交流が持てていなかった。本会を継続し、児童・生徒の学校生活の向上に貢献していきたい。