第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達

ポスターセッション25(P25)
術後遠隔期・合併症・発達 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:武内 崇(和歌山県立医科大学 小児科)

[P25-01] ファロー四徴症修復後遠隔期の大動脈基部拡大についての検討

竹田 義克, 西田 圭吾, 岩崎 秀紀, 久保 達哉, 中山 祐子, 井美 暢子, 前田 顕子, 斉藤 剛克, 太田 邦雄 (金沢大学医薬保健研究域医学系小児科)

キーワード:TOF, AAE, AR

[背景]ファロー四徴症(TOF)では修復術後遠隔期に大動脈基部の拡張を認めることがあり,大動脈弁閉鎖不全症(AR)の増悪や大動脈解離を引き起こすと考えられている.術後遠隔期の大動脈基部拡大に関与する因子に関して検討した.[対象と方法]当院に通院している15歳以上のTOFおよび類縁疾患修復患者を対象とし診療録を後方視的に検討した.遠隔期の大動脈弁輪径(A弁輪径)およびAR,valsalva洞径は心エコーにより評価を行った.[結果]症例は38名(男21名),平均年齢27±7歳(15-40歳),平均修復時年齢3.8±2.4歳(1-13歳),肺動脈閉鎖を5例認めた.A弁輪径、Valsalva洞径はともに年齢により拡大する傾向を認めたがARに関して有意な差を認めなかった.また3歳以上で修復術を施行されたものはA弁輪径(23.6mm±3.3mm vs 21±3.12mm;p=0.0188),Valsalva径(36.3mm±5.9mm vs 32±5.9mm;p=0.0178)ともに有意に大きかった.さらに肺動脈閉鎖例で有意にvalsalva洞径(40.7mm±7.3mm vs 33.3±4.91mm;p=0.0058)が大きかった.大動脈基部への介入患者や大動脈イベントの既往があるものは無かった.[結語]TOF患者の大動脈基部は拡大しているものが多く,過去の報告と同様に根治術施行時期が高年齢であるほど拡大しやすいと考えられた.今後の課題として基部拡大,AR増悪を認める症例の適切な再手術時期に関して検討する必要がある.