[P26-01] 大学関連地域中核病院における小児循環器外来の果たす役割
Keywords:地域, 外来, 管理
【背景】当院は、京都市北部に位置し、京都府南丹医療圏の中核として機能し、人口約14万人(年少人口約1.7万人)をカバーしている。週1回の小児循環器外来を設置し、心臓カテーテル検査や外科手術などの高度医療は京都府立医科大学小児科・小児心臓外科へ紹介となるが、地理的条件より頻繁な大学への通院は患児・家族にとって負担となる。【目的】当院における小児循環器外来の現状を分析し、地域中核病院としての役割を明らかにする。【方法】2007年10月~2017年9月までの過去10年間における小児循環器外来受診者の診療録を用いて、受診者数、疾患、転帰について後方視的に検討した。【結果】総患者数915名、延べ4506件の受診があった。内訳は、学校検診精査:371名、川崎病フォロー:232名、先天性心疾患(CHD)フォロー:106名、心雑音・不整脈等の精査:177名、全身疾患・染色体異常による心臓合併症精査:22名、心筋炎フォロー:3名、胎児心エコー:4名であった。これらのうち、大学での検査・治療を要したものは、学校検診精査者では手術を要した心房中隔欠損1名、心室頻拍を伴った筋緊張性ジストロフィー1名、拡張型心筋症1名、心筋症疑い1例、ablationを要したWPW症候群2名、川崎病罹患者では冠動脈病変を認めた8名、CHDフォローでは手術治療を要した59例、不整脈精査ではカテコラミン誘発性多形性心室頻拍1名、複合変異を持つQT延長症候群1名、胎児心エコーでは左心低形成症候群1名であった。【考察】大学との連携を要する症例の多くがCHDの管理であった。複雑心奇形も少ないながら含まれていたが、地理的条件などを考慮した場合、当院でフォローアップできることは患児・家族にとって負担軽減に繋がっていると考えられた。また、複雑心奇形を含むCHD患者に突然死のイベントはなく、安全に管理できていた。