第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスターセッション26(P26)
学校保健・疫学・心血管危険因子 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:宮本 朋幸(横須賀市立うわまち病院 小児医療センター)

[P26-03] 先天性心疾患を合併した片肺無形成

福岡 将治1, 永田 弾1, 松岡 良平1, 江口 祥美1, 藤井 俊輔1, 村岡 衛1, 長友 雄作1, 平田 悠一郎1, 帯刀 英樹2, 塩瀬 明2 (1.九州大学病院 小児科, 2.九州大学病院 心臓血管外科)

キーワード:肺無形成, 先天性心疾患, 肺高血圧

【緒言】片肺無形成は非常に稀な疾患で、合併症の有無により無症状のものから、新生児期に死亡する例まで重症度は様々である。今回、我々は房室中隔欠損症を合併した左肺無形成の症例を経験したので、文献的考察を交えて報告する。【症例】7ヶ月、男児。胎児期に左肺無形成と診断され、出生後に房室中隔欠損症と気管軟化症の合併を認めた。日齢84から108に人工呼吸管理を要した。体重増加不良を伴い、5ヶ月時に肺高血圧症(平均肺動脈圧56 mmHg、肺血管抵抗係数7.8 wood U・m2、肺体血流比 2.3)を認めた。酸素負荷試験に反応したため、日齢178に心内修復術と肺生検を行った。術後1ヶ月の再検で平均肺動脈圧 19 mmHg、肺血管抵抗係数 4.7 wood U・m2と改善を認めた。肺生検ではPVODは認めなかった。【考察】肺無形成の文献的報告124例をレビューした結果、死亡例は23%で、リスク因子は診断時年齢1ヶ月未満(RR=5.9、p<0.001)、心奇形(RR=4.0、p=0.011)、気道狭窄(RR=5.5、p<0.001)であった。肺高血圧症の報告は非常に少なく、今後さらなる症例の蓄積が求められる。