第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスターセッション26(P26)
学校保健・疫学・心血管危険因子 2

2018年7月6日(金) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:宮本 朋幸(横須賀市立うわまち病院 小児医療センター)

[P26-06] 小、中学生への救急蘇生シミュレーションの取り組み

林 拓也 (埼玉県立小児医療センター 集中治療科)

キーワード:蘇生シミュレーション, 学校教育, CPR

「はじめに」神奈川県立こども医療センターでは2013年1月から、小、中学校に出向して蘇生シミュレーションを行っており、その意義については2015年の本会で発表した。その後、バイスタンダーが小児であるDVDを作成しシミュレーション教育に生かしているので報告する(当日供覧予定)。「方法」2013年1月から、小学校高学年、中学生に対し、蘇生シミュレーションを行っている。2016年からバイスタンダーが小児であるDVDを作成し、事前に視聴してもらい、当日はDVDに沿って、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDのシミュレーションを行った。1回の参加者は約30人で、医療従事者3名で小児用、成人用の蘇生人形、AEDトレーナーを用いて指導した。「結果」胸骨圧迫、AEDは、小中学生とも十分可能であったが、人工呼吸は不十分であることがあった。中学生に対し、シミュレーション前後で達成度の自己評価を行ってもらったが、すべての手技で自己評価が上がった。DVDの事前学習を行ってもらうことで、自信を持ってシミュレーションに臨んでもらうことができた。「考察」胸骨圧迫の負担を実感することで、迅速に人を集めることの重要性を理解してもらった。実際の蘇生において、AEDの操作は小中学生とも十分可能であると考えられる。また、DVDを作成したことで、教員の蘇生指導が充実するものと考えられる。「結語」学童期から、call firstとCPRを教育することで、救命率の向上、命の大切さを教えることが出来、DVD視聴と シミュレータを用いた蘇生講習は有用であると実感した。今後も小中学生への救急蘇生講習を継続できるよう、病院や行政に働きかけていきたいと考えている。