[P27-01] 乳児期発症のiPAH患者へCa拮抗薬、セレキシパグを含む、upfront combination therapyを行った1例
Keywords:肺高血圧, セレキシパグ, Ca拮抗薬
特発性肺高血圧症(iPAH)はまれな疾患であり、また乳児期発症の報告は少ない。今回、5ヶ月時発症のiPAH患者においてCa拮抗薬・セレキシパグを含むcombination therapyによって、良好な経過をたどった症例を経験したため報告する。
【症例】1歳女児。5ヶ月時、チアノーゼのため当科紹介。心エコーでTR severe(v=5.1m/s)、 PFO, PHを認めた。造影CTを含む各種検査でiPAHと診断し、入院翌日にカテーテル検査を行った(すべて酸素投与下)。平均肺動脈圧(PA)80mmHg、肺血管抵抗(Rp)38woods、NO投与によりPA34mmHg、Rp8.7woodsまで低下した。マシテンタン(0.04→0.3mg/kg)、タダラフィル(0.1→1mg/kg)を導入したがPA91mmHg、Rp33.6woodsと効果不十分であった。NOへの反応が良好であったことから、血圧に注意しながらニフェジピンを追加(0.016→0.3mg/kg)したところ、PA65mmHg、Rp9.5woodsとなった。エポプロステノールの導入を考慮したが、在宅でのルート管理の問題からセレキシパグ(4→32μg/kg)を追加した。PA43mmHg、Rp4.4woodsまで改善し、内服および在宅酸素を併用して退院となった。紅潮を認めたほかは合併症は認めなかった。
【考察】欧米のガイドラインでは急性血管反応性試験陽性の場合はCa拮抗薬がファーストチョイスとなるが、1歳未満ということもあり、慎重に少量から開始することで導入可能であった。肺動脈wedge造影で肺血管が比較的保たれており、また発症早期であったことから血管病変が可逆的であり、Ca拮抗薬への反応性が良好であったと思われた。セレキシパグは頭痛や筋肉痛、顎痛、悪心、下痢、嘔吐などの副作用がほぼ必発と報告されているが、本症例では紅潮のみであり、体血圧も低下しなかった。
【結語】乳児期発症のiPAH症例を経験した。マシテンタン・タダラフィルにCa拮抗薬とセレキシパグを追加することで肺動脈圧を下げることができた。紅潮を認めたほかは合併症は認めず、安全に使用できた。
【症例】1歳女児。5ヶ月時、チアノーゼのため当科紹介。心エコーでTR severe(v=5.1m/s)、 PFO, PHを認めた。造影CTを含む各種検査でiPAHと診断し、入院翌日にカテーテル検査を行った(すべて酸素投与下)。平均肺動脈圧(PA)80mmHg、肺血管抵抗(Rp)38woods、NO投与によりPA34mmHg、Rp8.7woodsまで低下した。マシテンタン(0.04→0.3mg/kg)、タダラフィル(0.1→1mg/kg)を導入したがPA91mmHg、Rp33.6woodsと効果不十分であった。NOへの反応が良好であったことから、血圧に注意しながらニフェジピンを追加(0.016→0.3mg/kg)したところ、PA65mmHg、Rp9.5woodsとなった。エポプロステノールの導入を考慮したが、在宅でのルート管理の問題からセレキシパグ(4→32μg/kg)を追加した。PA43mmHg、Rp4.4woodsまで改善し、内服および在宅酸素を併用して退院となった。紅潮を認めたほかは合併症は認めなかった。
【考察】欧米のガイドラインでは急性血管反応性試験陽性の場合はCa拮抗薬がファーストチョイスとなるが、1歳未満ということもあり、慎重に少量から開始することで導入可能であった。肺動脈wedge造影で肺血管が比較的保たれており、また発症早期であったことから血管病変が可逆的であり、Ca拮抗薬への反応性が良好であったと思われた。セレキシパグは頭痛や筋肉痛、顎痛、悪心、下痢、嘔吐などの副作用がほぼ必発と報告されているが、本症例では紅潮のみであり、体血圧も低下しなかった。
【結語】乳児期発症のiPAH症例を経験した。マシテンタン・タダラフィルにCa拮抗薬とセレキシパグを追加することで肺動脈圧を下げることができた。紅潮を認めたほかは合併症は認めず、安全に使用できた。